新宗連信教の自由委員会
平野氏は、憲法とは「権力を拘束する法」であり、人権を保障する「立憲主義を基とする法」であることを強調。自民党の改正草案の「国家権力制限の観点が後退し、国民への義務が増加」している点を指摘し、「本来の役割にもとる」と批判した。
続いて、パネルディスカッションに移り、玉光神社権宮司で新宗連理事の本山一博、天理大学おやさと研究所教授の金子昭、上智大学教授の島薗進の3氏がパネリストを務め、斎藤謙次新宗連事務局長をコーディネーターに行った。
本山氏は、「信教の自由は基本的人権の根源である」と述べ、「信教の自由」が「個人の尊厳を守るために決定的に重要なもの」と強調した。金子氏は、自民党の改正草案には「政教分離原則が曖昧になり、国民の信教の自由を制約する」可能性があることを指摘。信教の自由の問題は「国民主権の課題として協働して取り組むべき」と訴えた。島薗氏は、国家神道は戦後「解体」されたが、「皇室(の神道)祭祀は生き残った」と指摘。「国民の『象徴』である天皇が神道祭祀を行っていることを、よくよく自覚すべき」と述べた。
ヘイトスピーチは「憎悪犯罪」
新宗連第25回教団人セミナー
高橋氏は、ヘイトスピーチに関して、これまで「言論の自由」の観点から法規制には反対の立場をとっていた。しかし、ヘイトスピーチに見られる「憎悪」が、ナチスによるホロコーストと同じような状況へ至る可能性があることから、「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」としてヘイトスピーチを捉え直すべき、と語った。「今後は日本社会が良識をもって話し合い、政府も何らかの働きかけが必要」と述べ、法規制も視野に入れた対策の必要性を語った。
また、ヘイトスピーチが示すのは「憎悪」だけでなく、「差別」であることも指摘し、ヘイトスピーチ中に「殺す」「虐殺」などの言葉が含まれていることに触れ、「殺してよい命と殺さない命の区別がここにはある。命に差別をつけないことが重要」と語った。
力久?積聖主の古稀祝う 教団内外の活動讃える―善隣教
力久聖主の70年の歩みをたどるビデオ上映の後、力久聖主夫妻が主賓席に着いた。平井重利善隣教副理事長の開会あいさつの後、来賓を代表して、新宗常務理事の保積秀胤大和教団教主、庭野欽司郎立正佼成会参与の2氏が祝辞を述べた。
保積教主は、本部が仙台市にある自教団への、善隣教からの東日本大震災支援に対する謝辞を述べた。そして、両教団で3代にわたる深い縁があることを語り、「新宗連の枠をも超えて、お互いに深い絆をいただいたことをありがたく思う」と述べた。
庭野参与は、「聖主様とは深い友情とつながりを持ち、楽しく過ごしてきました」と青年時代から今日までを振り返った。
スピーチで朴榮杓韓国被爆者協会会長は、力久聖主が父である力久教祖の遺志を継ぎ、40年間にわたり在韓被爆者の支援活動を継続していることに感謝の念を表した。
聖主夫妻が登壇。孫、子どもたちから花束と、孫4人が一人一字を書いた「善隣の園」の額が贈られ、会場から何度も大きな拍手が送られた。
力久道臣教主が謝辞を述べた。聖主が教祖帰幽後、33歳で教主に就き、教団を支えてきたことを振り返り、「導きの先頭に立ち、教祖の残された教えを伝え、世の苦悩者の救済にあたってきた。命がけの行をもって、強い志で引き継いできた」と讃えた。
庭野平和賞30回記念シンポ 未来社会のための新しいパラダイム
庭野平和財団
庭野平和財団(庭野日鑛名誉会長、庭野欽司郎理事長)は10月23・24日、東京・有楽町の海外特派員協会で「庭野平和賞30回記念シンポジウム」を開催した。テーマは「未来社会のための新しいパラダイム」。初日、ブータン王国中央政府情報通信次官のダショー・キンレイ・ドルジ氏が「GNHに喚起された開発のパラダイム」と題して基調講演。「GNHは世界的なGDPの考え方を根底から問い直すもの。国連、政府、NGOなど世界全体での対話を必要としている」と述べた。
基調講演を受けパネル?「GNHと未来社会の構想」では、ブータンでのGNHへの取り組み、地球環境問題、地域づくりなどが焦点となった。
2日目は、哲学者の内山節立教大学大学院教授が「日本の農村から未来を構想する」と題して基調講演。内山氏は、「日本の伝統社会は、『人間だけの社会』ではなく、『自然と人間の社会』であり、その中に死者も含まれていた。死者たちがいるから、今日がある、という社会であった」と述べ、世代を越えた関係性の重要性を強調した。
この後のパネル?「未来社会を目指した実践」では、熊本県水俣市、東京都荒川区、岩手県陸前高田市での地域社会の取り組みが紹介された。午後のパネル?「宗教の視点から」は、平和賞受賞者による討論。文化や宗教が有する社会的価値に注目し、宗教間の対話と協力を進めいてく重要性を確認した。
2013/11/28
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