宗教もしもし相談室
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Headline No.36 首相の靖国参拝答弁書の閣議決定に抗議

新宗連 信教の自由委員会

 新宗連信教の自由委員会(信教委、本山一博委員長)は2月17日、政府が首相の靖国神社への公式参拝が宗教上の目的がなければ違憲ではないとする答弁書を閣議決定したことに対する抗議文を、安倍晋三首相に提出した(抗議文全文は広報「見解・声明・意見」に掲載)。
 この「『靖国神社参拝に関する質問に対する答弁書』閣議決定への抗議文」は昨年12月24日、井坂信彦衆議院議員が提出した「質問書」に対する「答弁書」を、1月9日、閣議決定したことに対するもの。井坂議員は、首相の靖国神社参拝などについて質問していた。
 抗議文は、はじめに閣議決定を「国民や遺族の『信教の自由』を侵害する重要な問題ととらえ、強く抗議する」と訴えている。
 そして、安倍首相が「答弁書」で「靖国神社は我が国における戦没者追悼の中心的施設」との認識を示していることに対して、憲法は第20条で「政教分離」原則を踏まえ、「政府が、民間の一宗教法人である靖国神社を『戦没者追悼の中心的施設』と価値判断することは、憲法が禁じる特定宗教の援助、助長、促進に当たるものと言わざるを得ない」と批判している。
 また、「答弁書」が首相の公式参拝について、「宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、憲法第20条第3項の禁じる国の宗教活動に当たることはない」としていることに言及。政府を代表する首相が、どのような行為が宗教活動に該当するかしないかを判断することを意味し、さらには政府が「宗教とは何か」を決めることをも意味すると指摘。「直言すれば、政府による宗教そのものへの介入であり、断じて認めるわけにはまいりません」と強く抗議している。
 抗議文は17日午前、本山一博委員長が永田町の自民党本部を訪れ、同党の田中和徳組織運動本部長に手交、抗議を申し入れた。

被災地を忘れない―神戸で慰霊祭、学習会、パネル討議

新宗連 第2回新生復興祈念集会

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 新宗連は2月19、20日に兵庫県神戸市の立正佼成会神戸教会で「第2回新生復興祈念集会」を開催した。同集会は阪神・淡路大震災から20年、新潟中越地震から10年、東日本大震災から4年を経て、なお「被災地を忘れない」との思いを共にし、被災地の復興と原子力問題への対応を学習会とパネルディスカッションを通して考えた。
 19日は午後零時半から、立正佼成会神戸教会にほど近い東遊園地内の「慰霊と復興のモニュメント」で慰霊祭を執行。保積秀胤理事長が開式にあたり、あいさつ。犠牲者の追悼と御霊の平安を祈ると共に、「今なお困難な生活を強いられている方々が一日も早く元の生活に戻り、被災地が復興していくことを、皆さまと共に祈念し続けていく」と集会の趣旨を述べた。
 この後、参列者は各教団の様式に則り、心からの礼拝を行い、モニュメント地下の犠牲者の氏名プレートを配した「瞑想空間」で献花を行った。
 午後4時から、立正佼成会神戸教会で第1部の学習会を開催。長沢啓行大阪府立大学名誉教授が「地震と原子力災害」のテーマで講演を行った。
 はじめに阪神・淡路大震災による被害状況を確認。多くの街が破壊されたことから、「原子力発電所は直下地震に耐えられるのか」と疑問を投げかけた。続いて、東日本大震災による福島の状況を語り、「福島で高線量の放射能汚染が観測される地域の住民は強制的に避難していたが、避難場所も放射能汚染しており、避難場所で被曝している」と指摘した。
 また、現在では厳しい避難生活と先の見通しが立たないことから、自殺などの関連死が福島の地震津波による直接死を上回っていると説明。東日本大震災に続く新たな事故の危険性も指摘した。
 翌20日午前9時から、第2部のパネル討議が「阪神・淡路大震災から東日本大震災まで」のテーマで開かれた。パネリストの梶田貢司立正佼成会新発田教会長、村井雅清被災地NGO恊働センター代表、田澤清喜松緑神道大和山教主、西田真哉新生会HALC自然学校塾長の4氏が発題した。
 梶田氏は、新潟中越地震に遭遇した中で、「震災当時、自身も被災している教会の会員が地域住民の受け入れのお世話をしている姿を見て勇気付けられた」とお互いが支え合うことの重要性を訴えた。
 また、10年経った今では、全国の人たちからの救援物資やボランティア隊によって復興したことを報告。「物資だけではなく、心の支えをもらった」と述べた。
 村井氏は、震災ボランティアの状況を説明。「阪神・淡路大震災では初心者ボランティアが多かったが、東日本大震災ではボランティアのハードルが上がってしまい、初心者は行ってはいけないという風潮があった」と指摘した。続いて、ボランティアの心得を解説。「現場に真実があるということを忘れず、被災者が被災から再建し自由を獲得する人間復興を基軸にするべき」と語った。
 田澤氏は、東日本大震災での気付きを披歴。自身の教団の被害状況などを説明した上で、教団が災害対策本部を設置したことで「物資、食料などの常備備蓄の大切さや新宗連活動の大切さを知った」と語った。
 また、心の支援として、慰問やセミナーの開催、復興応援バザーなどを行ったことを説明。こういった支援が自殺の防止などに繋がると述べた。最後に、「地域というコミュニティーがあって、自分たちがある。その支えがあるからこそ自立できるということを忘れてはいけない」と訴えた。
 西田氏は、ボランティア活動からの気付きを三つ挙げた。一つ目は「災害時は自分の身を守る」で、普段から意識しながら生活することで素早い対応が出来ると述べた。
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二つ目は、ボランティア同士の繋がりがある団体が一番早く活動していたことから「繋がりの大切さ」を挙げた。三つ目は「繋ぎ」で、ボランティア同士を繋ぐコーディネーターを生むことが非常に重要であると指摘した。
 この後、コーディネーターの根本昌廣新宗連企画委員会副委員長の司会で討議を行った後、会場内での質問を交えて議論が重ねられた。

第50回「8.14」平和推進事業実施へ

新宗連 理事会

 新宗連は2月19日午後1時半から、兵庫県神戸市の立正佼成会神戸教会で第28期第3回理事会を開催した。
 開会の後、各委員会・機関、新日本宗教青年会連盟などの各活動報告を行った。
 平成27年度事業計画案について審議し、原案通り承認。本年、「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8・14式典)」が第50回を迎えることから進めている「第50回『8・14式典』―平和推進事業」については、具体的な事業内容である「第50回『8・14式典』基本方針案」「『平和への巡礼』概要・行程案」などを承認した。また、信教の自由委員会が作成を進めていた学習・活動資料『信教の自由とは何か』の完成が報告された。
 続いて、平成27年度予算案を審議し、原案通り承認。「第50回『8・14式典』―平和推進事業」推進に向け、特別予算を組むことを承認した。
また、宗教法人審議会委員として、岡田光央理事(崇教真光三代教え主)の推薦、日本弁護士連合会が行っている「カジノ解禁推進法案」廃案を求める団体署名に協力することなどを申し合わせた。理事会修了後、今後の新宗連の在り方について、意見交換を行った。




2015/2/27

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