妙智會教団
通夜は4月1日午後6時から、葬儀並びに告別式は2日午前10時から、東京・代々木の妙智會教団本部で厳修された。喪主は、長男で妙智會教団法嗣の宮本惠司氏。通夜、葬儀並びに告別式には、新宗連加盟団体の代表はじめ各界から多くの弔問者が参列し、故人の宗教協力、世界の子どもの育成に努めた功績に感謝し、逝去を悼む弔意が表された。
教団葬は5月13、14日午前に妙智會教団本部で営まれる。
宮本丈靖師は1917(大正6)年、茨城県久慈郡大子町生れ。57(昭和32)年に妙智會教団理事長、87(同62)年に第二代会長に就任。国際平和活動を推進するため、「ありがとう基金」(現、ありがとうインターナショナル)の創設、宗教協力による子どもの健全な環境改善を進める「子どものための宗教者ネットワーク(GNRC)」の発足など、国際的な平和活動に尽力した。
新宗連では1969(昭和44)年から理事、84(同59)年から副理事長、2008(平成20)年から特別顧問を務め、2012(同24)年から顧問。また、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会では理事、常任理事を歴任した。
江戸時代の偉人 華岡青洲 学ぶ
和歌山県協
上田真佐江副議長のあいさつの後、華岡青洲顕彰会顧問の池田章氏が講演を行った。華岡青洲は、江戸時代の外科医で、世界で初めて全身麻酔を用いた乳癌手術を成功させた和歌山県の偉人。
池田氏は、難病に苦しむ人々を救いたいという青洲の精神と「各教団のみなさんが世のため、人のために役立ちたいという思いは一致しております」と述べ、宗教団体の奉仕活動を評価するとともに、青洲を顕彰した。
グループミーティングで分かち合いを行った後、グループ発表が行われた。
平和とは何か―「福幸の祈り」の集会
京都府協青年部
この集会は、東日本大震災の復興を祈念して2012(平成24)年から始められたもので、今回は「平和への再考―すべての人が平和を願う未来へ」をサブテーマとした。
佐藤益弘京都府協議会議長のあいさつの後、参加4教団の代表が折鶴を奉納。宇津隆教部長が祈願文を奏上し、参列者全員で黙祷を捧げた。
世界平和を考える映像を見た後、「平和って何ですか?」をテーマに、4、5人のグループで、他者の意見を尊重しながら自由な討議を行った。グループ発表では、「改めて平和のことを考えるいい機会をいただいた」「身近に仲間がいることが分かった」などの意見が出された。
ムスリムと日本の宗教者との対話プログラム
WCRP日本委員会・世界イスラーム連盟
「平和のための共通のビィジョンを求めて」のテーマのもと、サウジアラビア及び日本を含む7カ国の宗教者、学識者、NPO・NGO関係者ら約300人が出席。発題と討議を通して、イスラーム理解と、平和のため、テロリズムなどに立ち向かうための具体的な課題について討議した。
9日午前、基調発題をWCRP日本委の庭野日鑛会長とMWLのアブドッラー・ビン・アブドルムハセン・アル-トルキー事務総長が行った。庭野会長は過激組織による暴力行為に対し、感情的な意見や攻撃的な態度がしばしば見受けられることを指摘。もし、相手が敵意や憎しみを発散させたことについて、否定的に思うのであれば、まず自分の心の中から敵意や憎しみを取り去っていくことが「本来の宗教的な態度である」とした。また「悪化する世界の紛争を軽減し、世界の平和と互いの理解を確保するため、諸宗教と諸文明の対話が必要」と訴えた。
翌日夕まで、「宗教と平和」「宗教の違いと憎しみの文化」「宗教の価値と共通の課題」「今後の計画」の4テーマでセッションを行い、互いの価値観を認めながら、対話を重ねていくことの重要性が指摘された。
3セッションを踏まえての最後のセッション「今後の計画」では、4氏が発題。韓国ムスリム連盟イマームのアブドッラフマーン・リー氏は韓国の諸宗教協力の現状を報告し、「世界のイスラーム組織との友好関係を共有し、韓国ムスリムの他教会と連携することが目標」と述べた。WCRP日本委員会事務局長の國富敬二氏は、WCRPとムスリム協会のコラボレーション力の育成に触れ、今後共同で青年の共同育成、女性の交流の必要性を説いた。討議では今後の宗教対話の重要性、子どもに対する宗教教育の必要性、SNSの有効活用による宗教活動広報の必要性なども提起された。
二日間にわたるプログラムは、最後に「共同声明」を採択。声明は、多様な世界において、対話によってこそ相互理解と協力が得られることを確認し、公正の実現、平和の維持に尽くすことを明記。過激派の諸組織による暴力行為や殺戮行為がイスラームの教えに反するものであると非難し、イスラームが慈悲の教えであることを広く呼びかけ、そのための国際会議開催などを要請している。
2015/4/14
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