教団葬は両日とも午前10時に開式。パイプオルガンによる献奏の後、宮本会長の足跡を辿る映像「常精進」を上映。この後、白の行衣に身を包んだ青年部員による献灯・献華・献供が厳かに行われ、宮本会長が「六波羅蜜」の修行として会員と共に登り続けた山梨県身延山を模(かたど)った祭壇を荘厳した。導師の鈴木孝志理事による祈願の後、参列者一同で読経を勤めた。
弔辞は、13、14日とも各界の代表6人が述べ、生前の宮本会長から受けた薫陶や思い出、また世界平和と宗教協力、未来を担う子どもの育成に尽力した功績に感謝する言葉が続いた。
13日の弔辞の中では、日本宗教連盟理事長で新宗連理事長、大和教団教主の保積秀胤氏、深田充啓円応教教主、庭野日鑛立正佼成会会長が宮本会長との思い出や平和実現、宗教協力活動への功績に敬意を表した。
教団葬は弔電披露、齋藤賢一郎理事長の葬儀委員長あいさつの後、宮本惠司法嗣が喪主あいさつに立ち、今後は宮本会長を「大導師さま」と尊称することを発表。「これからは大導師さまのご遺志を正しく継承する不退転の決意をもって、修行に勇猛精進いたします」と力強く決意を披歴した。
第50回8.14式典に向けて始動
新宗連青年会
第50回「8.14式典」実行委員会(岩渕明大委員長)は4月27日午後7時から、東京・代々木の新宗連会館で第1回委員会を開催した。今年も青関連を中心とした実行委員が参集し、第50回・終戦70年という節目の式典準備に向けて始動した。
岩渕明大委員長と坪内教至運営委員長のあいさつに続き、委員がそれぞれ自己紹介。岩渕委員長が「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8・14式典)」の趣旨と意義、坪内運営委員長が基本方針を説明した後、協議事項に入った。昨年までの反省と、第50回からの変更部分を踏まえ、委員それぞれの役割を決めた。
5月15日には第2回委員会を開催し、部門別に打ち合せを行った。6月以降も委員会を開き、7月20日には「平和学習会」を開催し、第50回「8・14式典」へ向けて準備を進める。
地方巡行ワークショップを展開
このワークショップは、昨年度から3年計画で進めている新宗連青年会特別事業のひとつ。先の大戦の終結から70年が経ち、戦争体験者や平和の尊さを伝える人が年々減少していく状況と、50回にわたり継続してきた8・14式典の精神を「いかに継承するか」が目的。「私のことばで伝えたい」というメーンテーマを掲げ、戦争犠牲者や戦争体験者をはじめ、新宗連の平和活動の歴史を築いてきた先達の心を学び、「私のことばで伝えたくなる」人を増やしていこうという取り組み。
今回は、岩渕明大委員長(松緑神道大和山)と坪内教至委員(立正佼成会)がコーディネータを務め、岩渕委員長の主導でワークショップを行った。
開催趣旨やテーマの説明の後、「自己の信仰」「信教の自由」「平和」の3点について、自ら考え、対話するための3つの設問を提示、参加者は一つひとつの設問への回答をワークシートに記入した後、4〜5人に分かれたグループ内で、自分の考えを伝え合った。さらに、全体で各グループの内容を共有した。
ワークショップの後、あいさつに立った坪内委員は、先の大戦時に青東北連の包括地域である宮城・福島・山形の3県で15万人以上が亡くなったことを伝え、「ひとつひとつの命と、またそれをとりまく家族など、多くの人たちの悲哀や苦悩の上に、今日を生きる私たちの命もある」と述べ、「あらゆる戦争犠牲者に思いを馳せ、その心を8月14日に寄せてください」と呼びかけた。
「障壁は心の中に」 イバンガ氏が受賞記念講演
第32回庭野平和賞贈呈式
庭野平和賞委員会のシェイク・イブラヒム・モグラ委員長が選考結果を報告。庭野日鑛名誉会長から、受賞者のエスター・アビミク・イバンガ氏(「障壁なき女性たちのイニシアチブ」会長、ナイジェリア)に、表彰状と顕彰メダル、副賞2千万円が贈られた。庭野名誉会長はあいさつで、「子どもを思う母親の慈愛が、真に平和な世の中を築いていく原点になる」と述べた。
来賓祝辞の後、イバンガ氏が記念講演。平和を求める女性たちによる紛争解決と和解の実現を願い2010年、「障壁なき女性たちのイニシアチブ」を創設。宗教、民族の壁を越え、国内外の女性指導者たちと連携して紛争の解決と予防に取り組んできたことを振り返り、「障壁は現実のものではなく、心の中に存在します」と語った。
イバンガ氏は、怒りや復讐心を捨て去ることを説き、「赦すことで私たちは自由となり、愛することで神の徳性を表し、この地上で神の如く生きられる」と訴えた。
2015/5/21
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