宗教もしもし相談室
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Headline No.71 マイナンバー施行から一年 現状の課題と対応は

新宗連第80回拡大宗法研 石村耕治氏招き研修

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 新日本宗教団体連合会(新宗連、保積秀胤理事長)の宗教法人研究会(宗法研、平松千明座長)は4月7日、東京・代々木の新宗連会館で、「個人番号」(通称、マイナンバー)をテーマに「第80回拡大宗法研」を開催した。白鷗大学法学部教授の石村耕治氏を講師に招き、「マイナンバー施行から1年―その現状と課題」をテーマに、施行から1年を経過したマイナンバーの現状と今後の見通し、とりわけ宗教法人として求められる対応などについて研修を行った。
 石村氏は、マイナンバー制度の前身である住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット、2002年導入)と比較しながら、マイナンバー制の特徴を解説。住基ネットでは、番号(住民票コード)は非公開かつ本人と関係行政機関の間でのやり取りしかなかった。一方、マイナンバーは、本人と行政機関の間に、源泉徴収や年末調整など納税手続きを一部代行する民間の事業所(企業・宗教法人など)が介入するため、番号の公開範囲が広がり、漏えいや、悪用による「なりすまし」犯罪発生の可能性が高まると指摘した。
 また、マイナンバーは今後、あらゆる行政分野に拡大され、いずれは民間の自由な利用を目指しているが、利便性向上と情報漏えいリスクは比例することや、カード普及が進んでいないこと。さらにカードリーダーで読み込む仕組みが時代遅れとなっていること、莫大なコスト、情報漏えいとなりすまし犯罪など課題が山積していることを挙げ、「IT利権優先、血税浪費のマイナンバーは、住基ネットの二の舞になって破綻(はたん)する可能性が高い」と予測した。
 他方、石村氏は「法律で決まった以上は最低限の対応はしなければならない」として、宗教法人も特定個人情報(マイナンバー付き個人情報)等の取扱いに関する基本方針、(取扱)規程など整備してておく必要性を語った。

拉致問題テーマに平和学習会始まる―新宗連

4月から全国の総支部・協議会で開催

 新宗連は平成29年度の重点事業として、北朝鮮による拉致問題の早期解決を掲げ、4月から全国の総支部・協議会で拉致問題をテーマとする「平和学習会」が始まった。
 4月3日には中国総支部が立正立正佼成会広島教会で、総務を対象に開催。「北朝鮮による日本人拉致被害者即時帰国への祈り」を全員で捧げた後、DVD映像『拉致被害者御家族ビデオメッセージ』を視聴した。拉致被害者家族連絡会(家族会)代表の飯塚繁雄氏が講演し、拉致された妹(田口八重子さん)の苦しみと家族の悲しみを語った後、薄れる関心に危機を持ち、救出期限を年内に区切ることを政府に迫ったことなどを報告した。この後、生田茂夫新宗連事務局次長が宗教者としての取り組み、新宗連の方向性などを説明した。
 5日には首都圏総支部が、立正佼成会法輪閣で開催。DVD映像を視聴後、特定失踪者問題調査会(調査会)代表の荒木和博氏が講演し、調査会の活動を説明。拉致とみなされる人数は日本政府も把握できていないとして、調査はいまだ十分でないことや、拉致被害者とその残された家族らが長年苦しんできたことを語った。そして少しでも多くの人に拉致問題を伝えていく、些細な情報でも通報することなどを挙げ、「解決を思い、祈っていただくことも重要なこと」と述べた。
 9日は岩手県協議会が立正佼成会花巻教会で荒木氏を講師に、17日には北関東総支部が新潟市内のホテルで総務を対象に開催、佐原透修事務局員が説明。同日、四国総支部が徳島市内のホテルで総務を対象に開催、梶山貴史事務局員が説明した。
 18日には北陸総支部が立正佼成会富山教会で佐原事務局員が説明。同日、九州総支部立正佼成会鹿児島教会で荒木氏が講演、黒田均総支部事務局長が説明した。19日には東北総支部が立正佼成会仙台教会で荒木氏と飯塚氏が講演した。

東日本大震災 被災地訪れ慰霊供養―新宗連青年会

釜石市追悼施設や旧大槌町役場で祈願文奏上し黙祷

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 新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、岩渕明大委員長)は4月16日、東日本大震災の被災地である岩手県釜石市周辺で慰霊供養を行った。
 一行は午前8時半に松緑神道大和山釜石道場に到着。新日本宗教青年会奥羽連盟(青奥連、工藤真樹委員長)の関貴広副委員長から解説を受けながら映像資料を視聴。松緑神道大和山の及川清釜石支部長から2階建ての同道場の1階部分すべてが津波で流されてしまった当時の様子を聞いた。
 この後、バスで被災地を巡りながら、今も仮設住宅に住む立正佼成会釜石教会の青年から被災当時の話を聞き、津波の被害を受けた名残のある建物、津波後にかさ上げされた堤防、釜石市鵜住居地区防災センターの跡地などを見学した。
 釜石市鵜住居町の曹洞宗常楽寺にある釜石市追悼施設を訪問。岩渕明大委員長が献花を行った後、「自然災害犠牲者並びに被災地復興祈願文」を奉読し、黙祷。犠牲者の冥福を祈った。続いて大槌町城山公園に移動し、2月19日に納骨式が行われたばかりの「東日本大震災津波物故者納骨堂」を見学。宮口弘道副委員長が同堂の前で献花を行い、黙祷。最後に旧大槌町役場を訪れ、全員で「祈願文」を読み上げ、黙祷を捧げた。

2017/4/28

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