宗教もしもし相談室
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新宗連理事長 新春のごあいさつ

2000年を迎えて
新宗連の理想が世界の大潮流に
新世紀と50周年へ旅立ち


 2000年の新春にあたり、新年のごあいさつを申し上げます。本年は、20世紀の最後の年でございますが、ミレニアム、新しい千年期を迎える年ともいわれ、ともあれ、大きな節目を迎える年でございます。
 新年早々来年のことを申し上げては、気の早い話のようではございますが、来年の2001年には新宗連の結成50周年を迎えることになります。二十一世紀の幕開けの年に、新宗連結成50周年を迎えるのでございます。
 初代理事長の御木徳近先生、第二代理事長の庭野日敬先生、そして大石秀典先生によって生み出され、宗教協力を基盤として、社会への貢献と世界平和を目標に歩みを続けてまいりました。
 その意味で、本年は、新宗連にとりましては、半世紀の総決算の年ということになり、新しい半世紀を迎えるための準備の年ということになるわけでございます。

着実に前進

 さて、昨年10月にはバチカンのサン・ピエトロ寺院において諸宗教者の祈りの集いが催され、11月の末にはヨルダンの首都アンマンにおいて、第7回世界宗教者平和会議(WCRP)世界大会が開催されました。ともに世界の代表的な宗教者による宗教対話の集いに参加させていただき、新宗連の草創期に御木先生、庭野先生の示されたご理想が、かくも世界の一大潮流となったのだと、深い感銘を受けたのでございます。
 特にアンマンでのWCRPは、初めてイスラムの地で開かれたもので、これまでのWCRPの歩みが着実に前進していることの証しでありましょう。また、この地に世界の宗教指導者が一同に会し平和を語り合い、また、具体的な平和への働きの報告にふれ、WCRPの発展に心血を注がれた、庭野日敬先生の思想が、世界の隅々にまで行き渡り、人々の心を動かしているのだと実感いたした次第でございます。

宗教協力の精神

 開会式でヨルダンのアブドラ国王は「WCRPは人類の抱える諸問題を解決に導く力をもっている」とその存在を高く評価いたしました。新宗連の掲げてまいりました宗教協力の精神がかくも、このような地にまでしっかりと根を張っているのだと感動すら覚えたのです。
 世界のいたるところで、宗教対話が試みられ、紛争解決のための努力が行なわれ、そうした努力を実践してきた方々から、その成果の報告を聞くたびに、我々のこれまでの歩みに間違いはなかったと確信した次第でございます。
 国際会議に臨んで、かの地で思いを致したことは、結成五十年の歴史を刻もうとしている新宗連も、いまや教団代表者による対話と協力にとどまらず、各地で宗教活動を展開している人々によって支えられているということでございます。
 具体的に申せば、全国11の総支部の活動あってこそ新宗連が存在しているのでございます。そして各都道府県の協議会へと宗教協力の輪が広がり、生活の現場での宗教協力が、「草の根の宗教協力」として、多くの信者さん方の協力にまで拡大しているわけです。こうしたご努力とご協力によって各々の信仰心を強くすることにもなりましょう。
 さて、現代社会の中では、インターネットが普及してきております。その利用方法もなかなか簡単になり、普及の速度も一層速まるものと思われます。新宗連でも一昨年から、インターネットのホームページを掲出しておりますが、まさにニューメディアの時代ということができましょう。

世界との対話

 こうしたコミュニケーション手段の発達と普及は、宗教の世界にも大きな影響を及ぼすこととなりましょう。これまでの地域的な対話が、一気に国境や大陸の壁を乗り越えて、居ながらにして、世界中と簡便にかつ低廉に通信できる時代となった今、どの宗教教団にも、地域宗教から、世界宗教へと発展する可能性が生まれてきたということは、決して言いすぎであるということはないと思います。
 あるいは、世界の宗教者とも日常的な対話が可能となるわけで、国際社会の中での宗教者のネットワークが大きな役割を果たしていくためのよすがとなることでありましょう。
 しかし、新しい技術におぼれることなく、また機械を通しての対話に欠落する人間味というもの、あるいは「魂のふれあい」といったことを大切にしていかなければならないわけで、我々宗教者の役割がいよいよ大きなものになると自覚する次第でございます。

新しい息吹きを

 最後に、先にも申し上げましたが、来年には新宗連の結成50周年を迎えるわけで、本年は総決算であり、準備の年でもあります。とにもかくにも大きな節目を迎えるのでございます。樹木の節目には新しい芽が生じます。新宗連の大きな節目に、新しい息吹を呼び起こしたいものと存じます。
 各ご教団の人心救済の宗教活動、教勢の拡大とご発展と、関係各位のご健勝をお祈りし、意義ある結成50周年を迎えるべく、今後ますますのご協力をお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきたく存じます。

平成12年 1月 1日
新日本宗教団体連合会
理事長 深田 充啓

2000/1/1

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