◎脳死状態であっても心臓が動き、温かい血液が循環する人間の身体を「人の死」とすることに未だ社会的合意は得られておらず、法律で脳死を一律に「人の死」と規定すべきではないこと。
◎臓器移植は、一人ひとりの「生き方」や「死生観」に直結する問題であり、「本人の書面による意思表示」は、最後まで尊重されるべきこと。
◎移植年齢の引き下げについては、小児の脳死判定基準の見直し、子どもの意思表示方法と親権者の承諾に関する法制上の整備、被虐待児を臓器摘出の対象としない検証システムの確立などが必要なこと。
◎脳死を「人の死」とする脳死臓器移植に、いまなお多くの国民が疑問と不安をいただいていることから、「第2次脳死臨調」を設置し、医学、法律、哲学、宗教、倫理などの専門家による総合的検討を早急に始めるべきこと。
この世に生を受けた一人ひとりのいのちは、すべて等しく、かけがえのないものです。脳死臓器移植は、「他者のいのち」を受けて行われるものであることから、ドナーとレシピアント双方の生命の尊厳が侵されることがないよう、厳正な国会審議を切望いたします。
平成21年6月4日
東京都渋谷区代々木5丁目57番10号
財団法人 新日本宗教団体連合会
生命倫理研究会 座長 岡野 英夫
2009/6/4
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