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新宗連理事長 新年を迎えて

新たなる新宗連像示す準備の年
結成60周年へ向け飛躍を

2010(平成22)年1月1日
新日本宗教団体連合会
理事長 岡野聖法

 新年明けましておめでとうございます。皆さまにはますますご健勝にて新年を迎えられましたことと、心よりお慶び申し上げます。
 昨年は、今上陛下のご即位20年と天皇皇后両陛下ご大婚50年の佳節を迎え、多くの国民の皆さまとともにお祝いをさせていただくことができ、誠に慶賀に絶えない次第でございます。

 さて、本年は財団法人新日本宗教団体連合会(新宗連)にとりまして新たな飛躍のための準備の年と申せましょう。
 と申しますのは、明くる2011(平成23)年10月17日には新宗連結成60周年を迎えることになっております。また、既にご承知のことかと存じますが、公益法人制度改革により、2008年12月1日から新しい法律が施行され、新宗連は現在、特例民法法人として存続しておりますが、法律施行日から5年以内に「公益財団法人」もしくは「一般財団法人」に移行する必要がございます。
 このため、昨年2月の理事会で「新宗連60周年特別委員会」の設置を決め、現在、同委員会の中に公益法人制度改革に対応するための「組織検討部会」と「60周年記念事業検討部会」を設け、それぞれ検討を始めているところでございます。
 60周年記念事業につきましては、既に結成記念式典を来年10月17日に開催すること、加盟教団の代表者の皆さまを対象として、「宗教と社会に関わる諸課題」について学ぶ教団人セミナーの再開を決めております。テーマや詳細な記念事業につきましては、これから部会で準備作業を進めていく運びになっておりますので、是非皆さまのお知恵、ご意見を賜りたいと存じます。

 法人の移行問題につきましては、2006年5月26日、第164国会におきまして、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(法人法)「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(認定法)並びに「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)の公益法人制度改革三法が可決・成立し、同年6月2日、公布されたわけでございます。
 公布当初は、一般財団法人と公益財団法人の違い、公益事業と共益事業の区分、役員の位置付け、公益財団法人を目指した場合の認定基準など、不分明のところが多く、また、さまざまな情報が錯綜し、ややもするとそれらに振り回されるといったこともございました。このため、役員の先生方には何かとご心配をおかけいたしましたのではないかと思っている次第でございます。
 しかしながら、法律が施行され、様々な特例民法法人が公益財団法人への認定申請を行い、徐々にではありますが、認定をされる団体も出てまいりました。新宗連としても先行されました団体からの情報収集をする中で、「公益財団法人」への移行に対して一筋の光明が見えてきたのではないかと考えているところであります。
 まだ新宗連として正式に「公益財団法人」に移行することを決定したわけではありませんが、大方の役員の皆さまには、そのような意向があるものと存じております。
 冒頭、本年が新しい飛躍のための準備の年と申しましたのも、このようなことがあるからでございます。60周年特別委員会の皆さまには大変大きな責務を担っていただくことになりますが、叡智を集められまして、準備を進めてくださいますようお願い申し上げる次第でございます。
 そして、来年の60周年記念式典の折には、法人移行問題も含め、新宗連結成の原点に帰りつつ、新しい新宗連像が各界の皆さまにお示しできますことを心より念願するものでございます。

 ところで、昨今の世の中を見回しますと、楽しく明るい話題というのは本当に少なく、一昨年末からのいわゆる「派遣切り」に始まる格差社会の拡大、失業率の増加、一昨年のリーマンショック以来の不況、昨年までの12年間連続して3万人を越す自殺者を数えるなど、暗い話には枚挙にいとまがなく、日本全体に閉塞感が蔓延しているといっても過言ではありません。こうした閉塞感が、昨年8月の衆議院総選挙で与野党を逆転させ、政権交代が起こったと指摘する識者もおります。
 山積する課題は、どれ一つとっても単独で起こるものではありません。例えば自殺一つとっても、格差社会の拡大により明日を夢見ることができない、失業による経済的不安と債務超過など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることを、絡んだ網をときほどくように、見なければなりません。
 戦後、新宗教教団は、貧・病・争で苦しむ多くの寄る辺なき人々をお救いしてきたことは、まごうことのない事実でございます。その時の救済力を今、再び発揮し、暗澹たる現代社会にあって、宗教者はしっかりと目を開き、世の中の平安に役立っていく時ではないかと実感するものでございます。
 まずは家庭、地域、そして職場から、「感謝報恩」の心をもって、小さなことであっても、自分のできることから率先して、人々の範となるような行動を示そうではありませんか。
 幸いにして新宗連には全国に11総支部、56協議会の組織が網の目のように張られ、一昨年来、「あなたにもできる自殺防止」をテーマに学習会を展開しております。また、地球温暖化防止のための「全国電力ダイエット運動」を過去3回実施し、現在では総支部、協議会単位でも独自で展開されたり、さまざまな学習や実践活動をされております。
 こうした活動は新宗連内部だけではなく、地域に役立つ力となるものと存じます。また、闇夜に一条の光をさし、やがては明るい社会を作るための大きな力となるものと確信しています。

2010/1/1

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