
この墓苑には、各戦域での戦没者を象徴するご遺骨が安置されてあります。かけがえのない父母と別れ、愛する妻子と別れ、捨てがたき職業を離れ、死の恐怖を心に秘めながらも、国の定めに従って出征し、国のため、民族のため、家族の幸せを祈りながら一身を捧げられた方々です。
どうか皆さま、尊い犠牲をはらわれた多くの御霊に対し、心から感謝し、誠の祈りを捧げ、あわせて世界の平和が一刻も早く実現しますよう祈願させていただきましょう。
戦後66年を経た今、御霊は、緑の樹木のように活き活きとした霊力を発揮され、この国を、私たち国民の生活を見守り続けてくださっているに違いありません。
ことに、今年3月11日に起きた東日本大震災からの復興には、見えない大きな力を働かせてくださっていると信じます。
様々な報道で皆さまよくご存じのように、死者、行方不明の方々は2万人を超えております。犠牲者の方々には心から哀悼の誠を捧げます。今回の震災はかつて経験したことのない未曽有の大災害でその復興は困難を極めております。
しかしながら、国のあらゆる機関の力を結集し、外国からの支援も受け、多くのボランティアのまごころが発揮され、徐々にではありますが被災地に槌音が響き、被災者に落ち着きが見られるようになりました。

もちろんその一歩は、宗教者として他のお手本となる誠意ある一歩でありたいものです。とかく世間には"自分さえよければ"という利己主義が横行し、恨み、妬み、怒り、さげすみ、傲慢、自我欲などの対立、不和、争いなどのために、深刻な歪みが生じています。そうした今だからこそ、自他の幸せを願う信仰者の愛と誠の心が必要とされます。平素の学びを具体的な行動に移して、お互いに助け合い、支え合って、被災地の復興、日本の再建に尽くしていきましょう。それがひいては世界の平和へと向かう行動になると、私は確信しております。
私たち新日本宗教団体連合会は今年、結成60周年を迎え、新日本宗教青年会連盟は結成50周年を迎えました。さらなる宗教協力によって、「すべてのいのちを尊ぶ世界」の実現に向けて行動していく所存です。
本日の祭典では、新宗連青年会が中心になって呼びかけ、たくさんの折り鶴が奉納されます。一人ひとりがまごころこめて一つひとつ折った鶴です。戦没者の慰霊とともに、このたびの地震や津波で犠牲となられた御霊に、まごころの祈りを運んでくださる鶴です。
さらに申せば、日本ばかりでなく、世界の平和に貢献すべく、力強く羽ばたこうとしている鶴です。
ご参集の皆さまも、どうぞ心をあわせて、折り鶴に願いをこめて、ご一緒に「平和への祈り」をご唱和下さいますようお願い申し上げます。(文責在記者)
2011/8/23
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