宗教もしもし相談室
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Headline No.7 「人間」として原子力問題を考える―大宗連

2013年度基礎講座

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 9月24日午後6時から、大阪市中央区の真宗大谷派難波別院(南御堂)の御堂会館大ホールで、「誰かを犠牲にする原発〜『人間』として原子力問題を考える」をテーマに京都大学原子炉実験所の小出裕章助教の講演会が行われた。
 主催は真宗大谷派大阪教区「原発に依存しない社会の実現を目指す委員会」で、同和問題にとりくむ大阪宗教者連絡会議(大宗連)が協賛した。大宗連では、2013年度基礎講座と位置付け、加盟教団の代表者、信徒、会員なども多数参加した。
 小出氏は「(原子力は)私の幼い頃の夢であり、すべてのマスコミもそう信じていた」と述べ、福島第一原子力発電所の事故と放射能汚染とその影響や現況を伝えた。そして「日本には、『一般人は一年間に1ミリシーベルト以上の被曝をしてはいけない、させてはいけない』などの法律があるが、福島の事故後、政府はそれを反故にした」と批判、また「日本は法治国家なのか」と疑問を呈した。
 さらに被曝労働が下請けに押しつけられる、事故が起きた時に備え過疎地に建設される、さらには、原発で生成される毒物を処理する手だてが無く、子々孫々に押し付けていく状況を訴え、誰かの犠牲を前提とする差別の構造を指摘した。最後に「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という、宮沢賢治の言葉を伝えた。

「ケアとしての宗教」テーマに年次大会

教団付置研究所懇話会

 教団付置研究所懇話会は10月3日午前11時半から、東京・立川の真如苑応現院で「第12回教団付置研究所懇話会・年次大会」を開催した。テーマは「ケアとしての宗教」。同懇話会は2002(平成14)年に発足し、各宗教教団に所属する研究所で構成している。
 中央学術研究所・一食平和基金事務局の秀島くみこ氏が、「立正佼成会・一食を捧げる運動について―宗教団体ならではの国際協力活動を目指して」と題して発表。「一食を捧げる運動」とは、月に数回食事を抜き、その費用分を献金し、貧困など困難な状況にある人々への支援に活用するというもの。立正佼成会では毎月1日と15日を実践日と決め、1975(昭和50)年から全国の教会で展開している。
 秀島氏は、同運動が他のNGO活動などとは違い、「自らの心の変革」や「自分作り」を重視していることを説明。個人が無駄や贅沢を慎んだり、困難な状況にある人々に思いを馳せたりすることにより、心の変革を促し、財的支援にとどまらない、「宗教ならではの活動」であることを強調した。
 

「次世代への信仰継承」テーマに対話型講義―首都圏総支部総会

 首都圏総支部(正井啓介会長)は10月7日、神奈川・箱根湯本のホテルで「平成25年度首都圏総支部総会」を開催した。
 午後3時からの学習会では正井啓介会長のあいさつの後、千葉大学大学院教授の小林正弥氏が「サンデル教授の対話型講義とは」と題し、講演を行った。
 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の行う「対話型講義」とは、学生に問いかけ、学生が自身の考えを述べる方式で進められ、一方的に知識を与えるのではなく、自ら考えることを促す方法。小林氏はこの方法について解説し、その特長や意義、また実際に行う際の注意点などを説明した。従来の「討議」とは異なる点として「多様性を尊重」することを挙げ、「正しい解答」よりもそれぞれの立場や意見が発展することや深まることを重んじる視点を提示した。
 講演の後半は、「次世代への信仰継承」をテーマに対話型講義を試みた。小林氏が「自分の子どもが信仰をやめたいと言い出したら、強く止めますか? 子どもの自由にさせますか? 」など参加者に問題を投げかけ、それぞれに「YES」「NO」で回答を示した後、参加者はその理由を表明した。先の問題については「親の後姿がしっかりしていれば子どもはついてくる」「時間を置くことは重要、強くは止めない」などの意見が出された。互いの意見を聞き、参加者は自身の意見を省みて、さらに考えを深めた。
 

「ありがとうございます」の力を信じ実行を

北関東総支部 学習会と総務会、総会

 北関東総支部(浦島實会長)は10月8日午後2時から、茨城・水戸の立正佼成会水戸教会で「平成25年度新宗連北関東総支部学習会」を開催。9日には茨城県・大洗のホテルで「総務会」及び「総会」を開催した。
 学習会では「ありがとうございます 笑顔セラピーねっと」代表の野坂礼子氏が「笑顔とありがとうの魔法」と題して講演した。
 野坂氏は、人生は「ことば通りになる」と述べ、どのような言葉を選ぶかが重要であると説いた。「笑顔」「呼吸」「ことば」は「自由意思で変える(つくる)ことができる」と述べ、「何を選ぶかが重要」と語り、消極的な言葉を選ぶのではなく、積極的な言葉を使うことを勧めた。
 その中でも特に「ありがとうございます」という言葉を唱えると、「何故か幸せになる」「力の大きな言葉」と説明。幸せになった人の体験談などを交えながら、「ありがとうございます」と唱え続けることで「無条件の幸せを生きられるようになる」、どんな状況にあっても「幸せ」を感じられる境涯へと達することができると語った。
 翌9日午前9時からは総務会を開き、平成26年度の総支部事業計画案など承認。また、来年度の新宗連全国総会の受け入れを担当することを受け、開催地を長野県とすることを決定した。午前10時過ぎから行われた総会では、総務会での決定事項などが報告された。

宝塔に祈り捧げる

妙道会教団聖地を訪問

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 京都府協議会(佐藤益弘議長)は10月2日、滋賀県大津市にある妙道会教団の聖地への教団訪問と、「TOTO滋賀第2工場」への社会見学を実施した。
 京都駅からバス1台で出発した一行は、午前9時15分ごろ、妙道会教団聖地の聖殿前に到着した後、聖殿に入場。妙道会教団の宮尾早雄常務理事から歓迎のあいさつを受けた。同教団の岡本潤一氏が教団概要の説明を行い、参加者は、開創者である聖師・佐原忠次郎師、普師・佐原俊江師の願いと1975(昭和50)年に開かれた聖地の意義などを聴いた。
 続いて、宝塔前まで自然を満喫しながら上りを徒歩で移動。比良山系南端の山々を後方にそびえる55メートルの黄金の宝塔に、参加者から感嘆の声が上がった。岡本氏から、宝塔が「法華経見宝塔品第十一」の教えによって湧出したことなどのレクチャーを受けた後、順次それぞれの教団の礼拝様式に従い、祈りを捧げた。
 この後、聖殿、山門を経て下りながら道場、会館を見学。帰りにはけやき参道を歩くなど、広大な聖地の風景を楽しんだ。
 聖地を後に一行は、社会見学として「TOTO滋賀第2工場」に向かい、システムキッチンの製造工程などを見学した。

「信仰と健康」学ぶ

岡山県協議会2013平和集会

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 岡山県協議会(鈴木寛章議長)は9月22日午前10時から、立正佼成会岡山教会で「2013年平和集会」を開催した。
 あいさつに立った鈴木寛章議長は「普段救われていることに感謝し、(多くの人に)信仰の素晴らしさを伝えていきましょう」と訴えた。
 講演は、PL病院の塚本義貴外科副部長が「信仰と健康」をテーマに行った。塚本氏は「ストレスの蓄積は病気の元となる。信仰者は、教えによって精神的ストレスを減らす、或いは感じないようにすることができる。つまり信仰の心は健康につながる」と前置きした。そして、健康につながるものとして?柔軟性?積極表現?楽観的?笑顔?笑顔―の5点を挙げ、PLの教えの根本でもある「PL処世訓」を引用しながら、信仰と健康について話した。
 また、「心配性の人程、心筋梗塞になりやすいというアメリカの研究発表もある。相手に親切にすることで、周りの人にも影響を与えるが、信仰者は心の持ち方、あり方を信仰で切り替えることができるので、それが(自分、周囲への)健康につながる」と述べた。
 この後、参加者はグループミーティングを行い、講師の話をかみしめながら、意見交換。全体会に移り、山岸延江副議長のあいさつで閉会した。


歴史を学び活動に活かす

青年会北陸連盟50周年の集い

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 新宗連青年会北陸連盟(青北連、藤弥隆俊委員長)は10月5日午後1時半から、石川県金沢市の立正佼成会金沢教会で青北連結成50周年の集いを開催。「先代から学ぶ青年会のこれから」をテーマに、青北連元委員長の園浩一氏(立正佼成会大阪教会長兼西日本教区長)を講師に招き、青北連の歴史を学んだ。
 園元委員長は自身の青北連委員長時代の体験を振り返った。一時期活動が停止していた青北連を再発足させた時に、総支部会長から受けた辞令を手に説明。当時、新宗連青年会活動の地方化が望まれていたことや、「ユースフォーラム‘87」では、北陸連盟が受け入れにあたり奔走したことなどを語った。連盟の活動に他教団から参加をしてもらうために、他教団を訪問し、他教団の活動にも青北連として協力したり、お互いの信仰についての学びを発表することで信仰を深め合ったエピソードなどを紹介した。
 「人は組織のためにあるのではなく、人のために組織がある」と述べた上で、人間同士のふれあいを作るための組織づくりの重要性を説いた。
 また、新宗連結成宣言文の抜粋から、信仰は違えども、求める本質は同じであるという「万教同根」という言葉を伝えた。この言葉は、北陸連盟旗のスローガンでもある。さらに、他教団との交流を深めていく中で、他人の教えを大事にしていくことが、ひいては自分の信仰を大切にすることにつながると説明した。

2013/10/11

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