宗教もしもし相談室
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Headline No.17 宗教法人の「情報公開」のあり方探る

宗法研 第2回公開シンポジウム

 新日本宗教団体連合会(新宗連、岡野聖法理事長)の宗教法人研究会(本山一博座長)は3月13日、東京・杉並のセレニティーホールで第2回公開シンポジウム「宗教法人と情報公開―現状と課題を考える」を開催した。シンポは「宗教法人の活動が一般に見えにくい」といった声が聞かれる中で、「聖俗分離原則」をもとにする宗教法人の特性と情報開示のあり方を深るもの。
 白鷗大学法学部教授の石村耕治氏が「宗教法人の見える化―透明化法制と一般の声との乖離をどう埋めたらよいのか」をテーマに基調講演。石村氏は株式会社や学校法人などと比較し、宗教法人は「現行法制のもとで運営や経理内容を透明化するように求められ、義務を果たしている」と指摘。一方で、一般からのさらなる「見える化」を求める声が強いと問題提起した。
 また、宗教法人側が所轄庁や課税庁への書類提出という「義務」を果たしていれば「開示/公開」をしていることになると誤解している、とも指摘。たとえ会誌などの機関紙誌に運営や経理内容を公開しても、一般の人が目にする機会が少ないとして、「宗教法人の財務情報などにアクセスできる方法を検討する時代に入っている」と述べた。
 パネルディスカッションに移り、パネリストの金光教総務部長・福田浩氏、天理大学附属おやさと研究所長・深谷忠一氏、浄土宗総合研究所主任研究員・戸松義晴氏、玉光神社権宮司・本山一博座長が発題。各教団の情報公開の現状と課題などを示した。
 小憩をはさみ、斎藤謙次新宗連事務局長がコーディネーターを務め、パネリスト間で意見交換を行った。

被災地の現状を報告 宗教者の支援とは

福島で東日本大震災新生復興祈念集会

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 新宗連は3月7日、福島県福島市の「コラッセふくしま」で、東日本大震災・新生復興祈念集会を行った。
 本山一博理事の先導で祈りを捧げた後、保積秀胤常務理事が開会あいさつ。「地震、津波、原発、風評被害という4つの大きな試練を頂いた」として、「世のため人のためということをもっと考えながら、宗教者として世の中を変えていきたい」と語った。
 基調発題に移り、鈴木岩弓東北大学教授が「東日本大震災被災地の復興と宗教」と題して講演。阪神・淡路大震災で「宗教者が見えない」と言われたが、「東日本大震災では読経供養や慰霊などを通して、宗教的支援が顕在化してきた」と語った。「宗教者だけが死後の世界を語れる」という特徴を指摘し、日本版チャプレン(教会外の団体や施設で活動する宗教者)としての「臨床宗教師」の普及の取り組みを説明した。
 続いて、越前和紙販売業の山崎隆敏氏が「原子力発電所事故とその影響」と題して講演。原発事故問題に長年取り組んでいる山崎氏は、国内外の原子力災害の事例やデータを提示しながら、原発事故の危険性を解説。「原子力災害は、自然災害のように避けることの出来ない宿命的な災害ではない」として「未来に向けて、原発問題を再度考え直すべき」と主張した。
 パネル討議に移り、「今、被災地の現場では」と題して、パネリストの福島市わたり病院医師の齋藤紀氏、「子どもが自然と遊ぶ楽校ネット」事務局長の江川和弥氏、大和教団相双分祠長の齋藤真由美氏、立正佼成会原町教会前教会長の西村知久氏が報告を行った。
 コーディネーターの根本昌廣企画委員会副委員長は「震災の記憶が一部風化しつつある中で、これからが粘り強い宗教者の出番」と締めくくった。
 8日は、特別プログラムとして、被災地の視察を行った。福島市から飯舘村を経て南相馬市に入り、大和教団相双分祠で参拝。宮城県名取市の日和山で、犠牲者を追悼し復興を願う祈りを捧げた。

宗教協力、宗教青年の交流拡大に貢献

新宗連元評議員 庭野欽司郎氏 逝去

 新宗連元評議員で立正佼成会参与、庭野平和財団理事長の庭野欽司郎(にわの・きんじろう)氏が3月9日午後零時16分、入院加療中の東京都新宿区の慶応病院で逝去した。満73歳。戒名は「欽生院法道龍?信士」。
 庭野欽司郎氏は、立正佼成会の庭野日敬開祖の次男で、庭野日鑛会長の弟。同会の青年本部長として、多くの青年部員を育成したほか、総務部長、責任役員などを歴任。新宗連では評議員はじめ企画委員会委員長、首都圏総支部会長を務め、宗教協力活動の発展に尽力したほか、新宗連青年会副委員長として、国内外の宗教青年の交流拡大に貢献した。
 葬儀は教団葬として13日夕に通夜、14日午前に葬儀・告別式が東京・杉並の本部法輪閣で執り行われた。葬儀委員長は川端健之理事長、喪主は妻匡代(まさよ)さん。
 通夜、葬儀・告別式には教団役員、会員代表、国内外の宗教者、政財界から多数が参列。新宗連加盟教団では岡野聖法理事長(解脱会法主)をはじめ教団の代表らが参列した。 

2014/3/27

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