宗教もしもし相談室
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Headline No.28 税務調査の強化を懸念 税法・実務の両面から課題問う

拡大宗教法人研究会

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 新日本宗教団体連合会(新宗連、保積秀胤)の宗教法人研究会(宗法研、平松千明座長)は9月16日午後1時半から、東京・代々木の新宗連会館で、「宗教法人と税務調査の動向―新宗連・宗教法人税務有識者検証委員会の活動」をテーマに、第75回拡大宗教法人研究会(拡大宗法研)を開催した。税法・実務の有識者2氏の講演を通し、国税通則法の改正により、懸念される宗教法人への税務調査強化の実態と対応について学んだ。
 今回の拡大宗法研は、6月10日の新宗連理事会で設置が決定した「新宗連・宗教法人税務有識者検証委員会」の概要と活動の説明を兼ねた学習会で、同委員会委員長の石村耕治白鷗大学教授(税法、税制)と、委員長代理の阿部徳幸関東学院大学教授(税理士)の2氏が講演した。
 石村氏は「改正国税通則法と税務調査への影響」と題して講演。改正国税通則法は税制改正により2013(平成25)年1月から施行されたもので、質問検査規定が大きく見直され、新たに同法に規定された。石村氏は「改正の要点は、課税庁の調査権限を強化したこと」と解説した。
 改正による主な変更点と問題として、調査前・調査中・調査後の三つの局面を詳説。その中で、調査前手続きでは、10を超える事前通知項目を口頭で済ませられることや「無予告調査」の問題点を挙げた。
 調査中手続きに関しては、帳簿書類等の「提示」「提出」が罰則付きで納税者の受忍義務となり、さらに必要のある場合、課税庁側が帳簿書類等を持ち帰り占有する「留置き」権限が明文化されたと述べた。この留置きの書類には会員・信者の個人情報に関わるものも想定されることから、宗教者の守秘義務を侵すおそれがあることを指摘した。
 また、石村氏は、新宗連の宗教法人税務有識者検証委員会の目的・任務・組織構成などを解説。同委員会では、新宗連加盟教団が税務執行に関して課税庁との間で紛争事案を抱えた場合、新宗連理事長の諮問を受けて検証を行い、答申書としてまとめるなど対応を図ることを説明した。
 阿部氏は「最近の税務調査の動向と傾向」のテーマで、税理実務の観点から講演。改正国税通則法施行後の税務調査の実例、傾向を解説した。国税庁長官名の税務調査手続きの運営指針や、手続き書類等を分析し、「調査手続きがより煩雑になっている」と指摘。
 さらに「新たな税務調査が始まって約2年が経過し、課税庁の狙いがみえてきた」と述べ、調査手法が「巧妙化」している点に注意を喚起した。その例として、本来答える義務のない「お尋ね文書」の乱発、「来所依頼」や「行政指導」(「法定外調査」)がいつの間にか「調査」に移行した事例などを示した。
 講演の後、新宗連加盟の2教団で行われた税務調査の実例を、対応にあたった教団役員が報告。2例について講師が解説し、石村氏は「税務調査は宗教法人の特性を踏まえ、聖なる部分(宗教活動)を侵してはならない」と述べた。

メーンテーマ「私のことばで伝えたい」を決定

新宗連青年会 第50回「8.14式典」・終戦70年特別委員会

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 新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、岩渕明大委員長)は9月12から13日にかけ、横浜市の立正佼成会横浜普門館で、第50回「8.14式典」・終戦70年特別委員会(8.14特別委)の第2回委員会を開催した。一泊二日、深夜に及ぶ議論を重ね、メーンテーマを「私のことばで伝えたい」と決定した。
 午後1時に開会。8.14特別委の役割、「8.14式典」の歴史や意義、新宗連の平和への姿勢等を確認した上で、3カ年計画となる特別事業のメーンテーマについて、小グループで話し合った後、各自で案を発表し合い、さらに意見交換した。
 「祈り」「平和」「慰霊」「つながり」「未来」といったフレーズが多く出てきたが、委員それぞれが、新宗連や教団における活動の経験や知識などによって、微妙に認識の差があり、初日の協議ではテーマ決定に至らなかった。
 夕食後も議論は続き、「8.14式典」を開催する根本的意義、必要性とは何か、新宗連結成の原点とは何かなどについて、深夜まで熱心な話し合いが続いた。
 翌13日午前8時から会議を再開。前日の議論の内容を委員全員で共有した後、「平和」を祈願し続けてきた意義や「信教の自由」の大切さ、自己の信仰信念について、特別事業に関わる人たちが、観念的、抽象的理解でなく、心底から納得して、自らの内から発する言葉にならなければ、本質的継承につながっていかないことを確認し、テーマを「私のことばで伝えたい」に決めた。

「紙塔婆」投げ入れ洋上で合掌

第3回東日本大震災物故者慰霊洋上供養

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 「第3回東日本大震災物故者慰霊洋上供養―復興への祈り」が9月8日午前10時から、福島県いわき市の江名港で行われた。
 はじめに、榎本好男新宗連福島県協議会委員があいさつ。「いまだ悲痛に耐えている人々の心に寄り添い、復興を祈りたい」「今日の式典が真の復興につながることを祈念します」と述べた。来賓あいさつの後、各宗教の代表者はじめ、参列者全員が起立して、両隣の人と手をつなぎ、鎮魂の祈りを込めて黙祷した。
 筒井住職が「洋上供養文」を奏上した後、護摩壇で護摩供養を開始。並行して各宗派の代表者が祭壇前に進み、それぞれの礼拝様式で津波犠牲者の慰霊供養と被災地の復興を祈った。
 この後、被災者遺族代表者と宗教者ら約50人が漁船3艘に乗船して、沖合まで移動。船上で流水灌頂(供養)など、宗教者が祈りを捧げ、遺族の代表者は物故者の氏名が書かれた「紙塔婆」を海上に投げ入れ、御霊の冥福を祈った。また港に残った参列者も、船着場の突端から「紙塔婆」を投じて祈りを捧げた。

第40回チャリティーバザー開く

松緑神道大和山

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 松緑神道大和山(田澤清喜教主)は9月14日午前8時半から、青森県五所川原市のふるさと交流圏民センターで「第40回大和山チャリティーバザー」を開催した。
 同教団初代教主の田澤康三郎師は1974(昭和49)年8月にベルギーのルーベンで開催された第2回世界宗者平和会議に出席した折、信徒による平和に向けた実践活動の必要性を強く確信した。同年11月に「いつでも・どこでも・だれでも・いつまでも」できる運動として「一食(いちじき)を捧げ一欲を節する運動」を提唱した。翌年9月、信徒による第1回チャリティーバザーが五所川原市で開催された。
 開会式で田澤清喜教主は「多くの方々の幸せを祈り開催してきたバザーを、40年間ご支援下さった市民の皆様に感謝申し上げます」と喜びを表明した。
 バザーによる益金は、WFP(国連世界食料計画)の学校給食プログラム支援、世界各地で頻発する災害への緊急救援、ウガンダの元子ども兵士社会復帰支援活動などの平和活動に使われている。
 田澤教主は「楽しみながらやってきたことが長続きした要因かもしれません」と話した後、「人のために尽くす活動は喜びとなり、顔も自然と笑顔になります。あと10年で50回、これからも信徒と一緒に行動していきます」と新たな決意を語った。



2014/9/20

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