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新宗連理事長 年頭所感

第50回8.14式典、平和推進事業を展開

誇りと力を共有してスローガンの願いを基に

平成27年1月1日
公益財団法人 新日本宗教団体連合会
理事長 保積 秀胤
 
 

 平成27年の新玉の歳を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 昨年は夏から秋にかけまして、集中豪雨や火山の噴火など、自然災害が相次ぎました。また、東日本大震災により住み慣れた故郷を離れて暮らす方々、東京電力福島第一原子力発電所事故により、今なお避難生活を余儀なくされておられる皆様に一日も早く、もとの生活と平安がもたらされますよう、お祈り申し上げる次第です。
 私は、昨年6月の理事会におきまして、第七代理事長に推挙を賜り就任させていただきました。その折のご挨拶において、私は、新日本宗教団体連合会(新宗連)の発足とその活動を展開・護持されてこられた先師・先達の諸先生方の熱き想いと精神を顧みて、スローガンである「信教の自由を守ろう」「宗教協力を進めよう」「世界の平和に貢献しよう」こそが、新宗連の『いのち』である。その命脈を受け継ぎ、さらに開かれた新宗連に致して参りたいものと述べさせていただきました。
 私は2008(平成20)年に副理事長の御役を賜りました頃より、「新宗連の歩み」を深く識(し)れば覚(し)る程に、私どもの団体が、社会のために、国家のために、そして平和のために、これほどの活動と貢献を為し来たのかと、深い感動を覚えるものでした。そして、加盟教団の諸々の問題解決にも英智と行動力をもって迅速に対処する事務局の力をも観ることができました。
 新宗連のこれまでの力強き歩みに、大いなる誇りと力を共有して参りたいものと希(こいねが)っております。事務局員も加盟教団様の「御使い番」として、献身するを覚悟致すものでございます。
 

終戦70年の節目に「新しい日本」築く

 また、本年は新宗連にとりまして、大きな節目の年を迎えます。1962(昭和37)年に新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)が国立・千鳥ケ淵戦没者墓苑にて第1回「戦没者合同慰霊並びに平和祈願式典」を開催致し、87(同62)年に「戦没者慰霊並びに平和祈願式典」(8・14式典)と改称、青年等の信心の熱い火が灯され、終戦70年という節目のこの年に第50回を迎えます。
 戦後、焦土と化した我が国土にて、食・衣・住もままならぬ困窮極まりなき最中にて、我が子をはじめ尊い「イノチの霊(ヒ)」を守り継承され、今日の日本繁栄の礎を築かれし私共の両親に、そして御先祖に想いを馳(は)せる祈りの庭とも致すべく、本年、新宗連は「第50回『8・14式典』―平和推進事業」の大綱並びに実施概要のもと、諸事業を展開して参ります。
 実施概要には、新宗連の根幹でもある「信教の自由」を基(もと)いとして、加盟教団が旺盛な宗教活動を展開致し、「新しい日本」を築いていくことを共通の願いとしての連合体であることを、そして「8・14式典」の意義の再確認と、世界恒久平和への実現に向けて行動してきた新宗連の三つのスローガンに託された願いを基に、推進事業が展開されることを明記させていただきました。
 

靖国神社問題の解決と「信教の自由」

 さて、私が新宗連理事長として取り組みたいことの一つに、「靖国神社問題」の解決があります。かつて世論を二分した靖国神社国家護持の動きの中で、新宗連が国家護持に反対したことから、その真意が理解されず、いまだ誤解されている観があります。その誤解は解いていかねばなりません。
 自由民主党が提出した靖国神社を国家管理下に置く「靖国神社法案」への対案として、69(同44)年1月の理事会において「靖国神社国民護持要綱」を採択しました。これは靖国神社が政治的に利用されてはならない、それにより「信教の自由」が脅かされてはならない、さらには真の慰霊・追悼とは何かを社会に訴えたものです。個々人がその信条に則(のっと)り、靖国神社に参拝されることを否定したものでは全くありません。
 68(同43)年7月に発刊された『靖国神社問題に関する私たちの意見』の小誌にて、当時の新宗連理事長であられた庭野日敬先生は「戦没者及び国事に殉じたかたがたを、護国の英霊として祀り、その神霊を尊崇し、敬意と感謝の念を表わし、その遺徳をしのび、これをなぐさめ、その遺業を永遠に伝えたいと、わたしは、そうでなくてはならないと思っている」と断じられ、多くの先師先達の心情も同意であられました。
 戦後70年を迎え、いまだ解決をみないこの問題を、過去の歴史と共に、新宗連の歩みをも正しく学び、私たち宗教者だからこそできる解決の道を図りたいものと強く願う次第です。
 憲法改正問題についても、「信教の自由」は断じて阻害されてはなりません。例え靖国神社観、国家観が異なるとしても、それを超えて、「信教の自由」を堅持すべきものと。それが出来得るのが新宗連の強い結びと信念するものです。

親交と学びを深め明日に向けて前進

 さらには、昨年10月の理事会並びに全国総会では、新たに「会員総会」という形で学習会を開催し、会員である加盟教団の皆様にご参加をいただきました。懇談会では親しく語り合い、学習会では、新宗連の歴史と原点を学び、新宗連活性化へ向け、意見交換を行いました。
 今後は、こうした機会を増やし、会員相互の親交と教団の諸問題にも対応のできる力をもって、信頼に足る事務局としての奉仕に努め、会員ご教団に寄与させていただく所存です。皆様からの新宗連に対する忌憚(きたん)のないご意見ご提案を希うものです。
 本年は阪神・淡路大震災から20年、新潟県中越地震から11年、東日本大震災から4年と、復興へ向け懸命な取り組みが続いております。本年2月19、20日には神戸市で「第2回新生復興祈念集会」を開催し、阪神・淡路、中越、東日本での緊急救援の経験を学ぶとともに、「心の復興」に向けた救援の在り方、災害への備えについて検討します。
 皆様と共に、「第50回『8・14式典』―平和推進事業」を中心に据えて邁進し、新宗連のさらなる発展へ向け前進してまいりますので、ご理解とお力添えを賜りますよう願い申し上げる次第です。

2015/1/1

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