新日本宗教青年会連盟
17日山田匡男新宗連総局長が「新宗連活動の原点と歴史」と題して講義した。戦前の宗教弾圧を二度と起こさないという思いから新宗連が結成された、と説明。また自身の体験を交えながら新宗連活動の歴史を概観し、新宗連の3つの柱として?委員会・機関?青年会?総支部・協議会―を挙げた。
この後、石倉寿一大慧會教団次代会長が、新宗連青年会委員長時代に経験した中国平和使節団を中心に活動を振り返り、「新宗連青年会だからこそできる独自の活動をしてほしい」と述べ、青年を激励した。
18日は新宗連信教の自由委員会委員長で玉光神社権宮司の本山一博氏が「信教の自由とは何か」と題して講義した。「信教の自由」とは「信じたい宗教を信じることができる」ことであり、「信じたいと思わない宗教を信じなくていい」ことと説明。一つの宗教を選ぶことは、他の宗教を選ばないことと説き、「信じない自由も守らなければ、信教の自由を守ることにはならない」と述べた。また宗教の選択は、生き方を左右する重要な選択であるため、その選択の自由を保障する「信教の自由」は基本的人権の根源である、と説明した。
質疑応答の後、感想発表。その中で「信じない自由がある中で、どう布教を進めていくのか」との疑義が示され、「その時その時の出会いを大切にする」と、一人ひとりを尊重することの重要性への気付きが示された。これに対して本山氏は布教を肯定した上で、「宗教の選択という人生を左右するほどの決断に強制があってはならない」「その責任を負えるのはその人本人と神仏だけ」と、布教における信教の自由の尊重を強調した。
今後の政治課題を学ぶ
宗教と平和懇談会
宗教と平和懇談会(宮本惠司座長)は1月15日午後2時から、東京・代々木の新宗連会館で、学習会と懇談会を開催した。学習会は「現代の政治状況と直面する課題」をテーマに、元朝日新聞政治部長で、東洋大学社会学部教授の薬師寺克行氏を講師に招いた。はじめに薬師寺氏は、昨年12月14日に投開票が行われた衆議院議員選挙を分析。解散のタイミングについて、今後取り組まなければならない政治的難題が山積している状況を踏まえ、「支持率が低下する前の、自民党が負けないタイミングであった」と指摘した。
また、テレビ各局が、「選挙報道の公平性」を求める自民党からの「異例の文書」を受け萎縮したこともあり、選挙関連の報道量が激減し、選挙への関心が高まらなかったことなどを「マスコミの敗北」と解説。加えて単なる数合わせでなく、政策と選挙で一体化している「自公連立」政権の特異性を語った。「自民党の圧勝に見えるが、実は公明党の協力がなければ勝てなかった」とデータに基づいて指摘した。
次に安倍政権(第2次)の構造を、第1次政権と比較しながら分析。政府優位(政高党低)の一層の進行、経済政策の重視(現実主義)などの特徴を指摘した。最後に、今後の政治日程と主要課題を整理し、「経済、外交とも、悪くならないようにするのが精一杯で、政権運営は困難な状況に直面するのではないか」と見通しを述べた。
「倫理・道徳・宗教」テーマに
第61回コルモス研究会議
26日午後1時に、大村英昭会長が開会あいさつを行った後、基調講演?として、大正大学の弓山達也教授が「いのちの教育の行方―『心のノート』から『私たちの道徳』へ―」をテーマに講演を行った。
弓山教授は、「いのちの教育」の背景を説明し、2002(平成14)年に配布された「心のノート」には3つのいのち観(?与えられたいのち?通じ合ういのち?輝くいのち)がある、と説明。
しかし、多くの道徳教材は教師さえもどう教えたらよいかが分からないのが現状で、教材やトピックについて掘り下げないと分かりづらい半面、掘り下げて説明した場合、価値の押しつけになることが多く、ジレンマのある教材であることを指摘した。また、現場の混乱があったことや、使いづらい教材であったことも指摘した。それでもいのちに明確な輪郭を与える「心のノート」が、授業をする際の教師の考えの「よすが」となることを評価した。
続いて大阪樟蔭女子大学の石蔵文信教授がコメントを行った。「病気や死というものは宗教者が大いに関わっていく問題だが、医者に全面的に委任しているのが現状で、地域社会のなかで宗教者の存在が薄れてきている」と分析。そして、今度は道徳教育で小中学校の教員にその役割を回し、「人生の最初と最後を教員と医者に任せてしまっている」と宗教者を取り巻く現状について指摘した。
2015/1/21
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