第30回教団人セミナー
石蔵氏は、夫婦の関係を円滑に進めるには夫の「上から目線」をやめることが大切として、特に「聖職者といわれる宗教者、医者、学校の先生、また正義の味方といわれる法律家、警察、政治家はどうしても上から目線になりがち」と述べた。これは熟年離婚の原因の一つ「モラハラ」(モラルハラスメント)にもつながり、多くの妻が不快感を示している。妻を一個人として見ることの必要性を説いた。
妻の病気予防に効果的なこととして、「妻に共感することが重要。夫は妻の言葉に耳を傾け、決して上から目線にならず、話を聞く。それで妻のストレスはかなり減少する」と、妻との会話の重要性を挙げた。
熊本・西原村の依頼に応え支援物資を寄贈
新宗連国際救援金から
新宗連は平成28年熊本地震で甚大な被害があった西原村の復興支援災害ボランティアセンターに対し、9月13日に支援物資としてブルーシートおよび関連備品を寄贈した。熊本地震の被災地では、地震による屋根の倒壊、瓦の崩落等により家屋への浸水・雨漏り被害が続いていた。余震や大雨が続く中、ブルーシートによる応急対応が続いていたが、一度張ったものも日光や雨風による劣化が進み、張り直しの需要が高まっている。
今回は、新宗連らが熊本地震復興支援活動で、5月23日から約2カ月にわたり西原村にボランティアを派遣した関係から、ボランティアセンターからの依頼に応えたもの。新宗連国際救援金から60枚のブルーシートと固定の際に必要な土嚢袋やロープなどの関連備品を購入し、現地に送った。
被差別部落の起源を学び誤解を解く
同推協・第28回基礎講座
12日午後から、部落史研究家の上杉聰氏が「これでわかる部落の歴史と差別」をテーマに2講座を行った。上杉氏は、部落は「怖い、惨めといったイメージはどのように形成されたのか?」と問いかけ、誤解や錯覚を丁寧に読み解き、リセットしていくことの重要性を述べた。
その上で、江戸時代の身分制度として支配・上下関係として広く認識されてきた「士農工商」という表現は、文献的な調査によると適切ではなく、2001(平成13)年に教科書から削除されたことを説明。「士農工商」という言葉は、本来、序列を表す言葉ではなく、民全体を表す言葉であることを解説した。
歴史を遡ると、部落の起源は、税負担できない人に清掃と警察の仕事を担当する「キヨメ」として組織したことが始まりであることも説明した。
13日午前は、立正佼成会作成のDVD「仏性開顕」を上映し、立正佼成会渉外グループ次長の柿澤伸光同推協幹事が「『同宗連』事務局長などを通して学んだこと」をテーマに講義を行った。柿澤氏は、「『同和問題』にとりくむ宗教団体連帯会議」(「同宗連」)での体験を語り、「understand(理解する)」の語源が、under(下に)stand(立つ)にあることから、「上から目線の理解ではなく、目線を低くすることで見えてくるものがある」と信仰の中での気付きを語った。
2016/9/27
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