宗教もしもし相談室
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新宗連理事長 年頭所感

共通の理念のもと大同団結

新スローガンを掲げ実践を

平成29年1月1日
公益財団法人 新日本宗教団体連合会
理事長 保積 秀胤


 新玉の年を寿ぎ、心よりお慶び申し上げます。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで、あと3年となりました。大会成功へ向けて気運は徐々に高まりつつあり、「スポーツには世界と未来を変える力がある」とのビジョンによる平和の祭典開催が待ち望まれるところです。
 さて、昨年を振り返れば、4月14日に熊本地震が発生し、熊本・大分両県で甚大な被害をもたらしました。今なお避難生活を余儀なくされ、また懸命に復興にあたっておられる皆さまに平穏な生活が一日も早く訪れますよう、心より願うものであります。
 熊本地震の被災者救援に際して、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)は5月から世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会と協働し、「熊本地震復興支援ボランティアVOWS(Volunteers of WCRP&SYL) for KUMAMOTO」を立ち上げ、熊本県西原村でボランティア活動を展開しました。7月までの7次にわたる復興・支援活動にはのべ240人がガレキ撤去や農作業、ボランティアセンタースタッフとして携わり汗を流しました。
 さらに11月からは新日本宗教団体連合会(新宗連)の第3次復興支援活動の一環として、被災地の障害者など災害弱者のケアと、被災者向けのラジオ番組「こころのハーフタイム」(熊本シティエフエム)の放送を開始いたしました。ラジオ番組は、宗教者が自身の体験や復興への取り組みなどを通じて学んだことや感じたこと等を語っていく内容で、熊本地震はじめ阪神・淡路大震災、東日本大震災の救援・復興に携わられた新宗連の方々の出演も予定され、今年10月まで放送いたします。
 今年1月は阪神・淡路大震災から22年となります。新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)、そして熊本地震という大災害に対しての救援活動の経験を踏まえ、新宗連に集う私たちは、今後も宗教者として被災地の人々に応える復興支援活動を継続してまいります。
 本年5月には熊本市内で「第4回新生復興祈念集会」を開催いたし、震災犠牲者の追悼、被災地の復興を祈念するとともに、被災者に寄り添いつつ宗教者ができる防災などについて学びを深めます。

信仰心、信仰の尊さ 広めていく意義とは

 新宗連は昨年結成65周年を迎え、結成月にあたる10月18日の全国総会での理事会以降、これまでの3本のスローガンに新たに「信仰心を広めよう」を加えた4本の旗印のもと、さらに活動を展開してまいることといたしました。
 新スローガン「信仰心を広めよう」には、一人ひとりが信仰心を深めるとともに、その信仰の尊さを広めていくことで、より幸せに生き、より良い社会と世界平和実現に向けた土壌づくりを進めていきたいとの願いが込められております。
 昨年9月30日には新たな企画として、新宗連加盟教団のさらなる教化活動に資するため、第1回「教化活動に関する懇談会」を開催し、講演と質疑応答では信仰の大切さ、布教の重要性が語られました。新スローガン「信仰心を広めよう」は、まさに時宜に叶ったものと思う次第です。
 また、新年度事業の重点課題としては、新スローガン「信仰心を広めよう」の実践とともに、現実味を帯びてきた憲法改正論議によって生じる諸問題への調査研究、北朝鮮による日本人拉致問題に理解と関心を深める学習会を全国の総支部・協議会において開催することといたしました。

拉致問題の学習会を総支部・協議会で開催

 特に拉致問題については、昨年10月19日の全国総会学習会において、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表の飯塚繁雄氏と、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏から、事件の風化を懸念する切なる思いを伺いました。
 北朝鮮による拉致問題は、国連の北朝鮮における人権に関する委員会、安全保障理事会でも取り挙げられ、いまや国際的な人権問題となっております。日朝政府間で協議が重ねられているものの、いまだに拉致被害者全員の帰国は実現していません。
 私たち宗教者は世界平和を願う者として、問題解決への祈りと共に、今あらためて拉致問題への認識を深め、世論を喚起する行動を進めてまいりたいと願うものであります。
 国内外の諸課題は山積するものの、私たち新宗連に加わる宗教者は、明日へ向けての明るい希望を見い出しつつ、新スローガン「信教の自由を守ろう」「信仰心を広めよう」「宗教協力を進めよう」「世界の平和に貢献しよう」との共通の理念のもと、大同団結して、さらなる歩みを進めてまいりたいと念願いたします。

2017/1/1

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