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4月7日 マイナンバー施行から一年―課題と対応で研修―第80回拡大宗法研

石村耕治氏招き研修

 新日本宗教団体連合会(新宗連、保積秀胤理事長)の宗教法人研究会(宗法研、平松千明座長)は4月7日、東京・代々木の新宗連会館で、「個人番号」(通称、マイナンバー)をテーマに「第80回拡大宗法研」を開催した。白鷗大学法学部教授の石村耕治氏を講師に招き、「マイナンバー施行から1年―その現状と課題」をテーマに、施行から1年を経過したマイナンバーの現状と今後の見通し、とりわけ宗教法人として求められる対応などについて研修を行った。
 石村氏は、マイナンバー制度の前身である住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット、2002年導入)と比較しながら、マイナンバー制の特徴を解説。住基ネットでは、番号(住民票コード)は非公開かつ本人と関係行政機関の間でのやり取りしかなかった。一方、マイナンバーは、本人と行政機関の間に、源泉徴収や年末調整など納税手続きを一部代行する民間の事業所(企業・宗教法人など)が介入するため、番号の公開範囲が広がり、漏えいや、悪用による「なりすまし」犯罪発生の可能性が高まると指摘した。
 また、マイナンバーは今後、あらゆる行政分野に拡大され、いずれは民間の自由な利用を目指しているが、利便性向上と情報漏えいリスクは比例することや、カード普及が進んでいないこと。さらにカードリーダーで読み込む仕組みが時代遅れとなっていること、莫大なコスト、情報漏えいとなりすまし犯罪など課題が山積していることを挙げ、「IT利権優先、血税浪費のマイナンバーは、住基ネットの二の舞になって破綻(はたん)する可能性が高い」と予測した。
 他方、石村氏は「法律で決まった以上は最低限の対応はしなければならない」として、宗教法人も特定個人情報(マイナンバー付き個人情報)等の取扱いに関する基本方針、(取扱)規程など整備してておく必要性を語った。

2017/4/7

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