紀藤正樹氏が諸課題について解説
講演の中で紀藤氏は「宗教(一般)における労働問題」について、「宗教団体」(包括的で聖の部分を含む)の財産管理を行うのが「宗教法人」(俗)と整理し、聖俗を切り分けて、裁判所では俗の部分(法律上の争訟)のみ裁判すると説明。「教義上の正しいか誤っているかの判断は裁判になじまない(適当でない)」と語った。
講演の後、質疑応答が行われた。この中で紀藤氏は「労働者の定義は社会や時代の状況によって幅があるが、近年は労働者性を広く認定する傾向にあり、その流れは宗教団体にも及んできている。どこまでが奉仕で、どこからが労働かは宗教界で整理しておかなければならないのではないか」と述べた。またその際「奉仕か労働かを分けるのは内心による部分が大きい(その人がどういう気持ちで活動に従事しているか)ため、宗教側の立場で言えば、教学や信仰をしっかり整えると同時に、それを職員に伝えていく努力が必要」と指摘した。
平和学習会、首都圏総支部から開始
「憲法改正と国民投票」テーマに
今年度初となる平和学習会は、首都圏総支部(本間雅弘会長)が4月9日午後3時から、東京・杉並の立正佼成会法輪閣で開催した。山田匡男新宗連総局長がこれまでの新宗連の憲法改正問題への取り組みについて講演。山田総局長は、新宗連「設立の意義」(1952年)で示された「絶対非戦」と「信教の自由」の意義や、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)による「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8・14式典)」と沖縄やアジアへの平和使節団派遣が連綿と続けられてきたことなどを解説。これを踏まえ、「なるべく多くの会員信徒、そして国民が憲法について正しく理解し、国民投票にあたって適切な判断が下せるよう、各県協議会、各教団、各教会・拠点で学習会を開催してほしい」と締めくくった。
この後、弁護士の種田和敏氏が講演。種田氏は「明日の自由を守る若手弁護士の会」(通称、あすわか)のメンバーとして、各地で開催される「憲法カフェ」(くつろいだ雰囲気で憲法について話し合う学習会)の講師を担当している。
種田氏は「あすわか」で作成した紙芝居「王様をしばる法〜憲法のはじまり」を用いて、わかりやすく解説した。基本的人権と平和の関係については「戦争は最大の人権侵害であり、基本的人権の尊重が束になったものが平和主義と考えられる」と提起した。
続いて憲法改正について、「憲法の大切さを感じないということは、現在が幸せであるということかもしれない。その大切さを感じるときは、すでに憲法は悪く変えられており、その価値を失ってしまっているかもしれない。そうなる前にしっかり考えておくことが重要」と語った。さらに改正手続きを定めた憲法96条と国民投票法についてポイントを解説。最終決定する国民投票は国会の発議から最短で2カ月で実施されるため、改正が現実味を帯びた「今」こそ学ぶ必要があると述べた。
「8.14式典」開催へ
チラシが完成、SNSで広報
「8.14」チラシ2018.pdf(2MB)新宗連青年会は8月14日夕、東京・九段の国立・千鳥ケ淵戦没者墓苑での第53回「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8・14式典)」の開催に向け、このほどチラシ(写真)を完成させ、式典への参加呼びかけを開始した。
「8・14式典」は教義や信条の違いを乗り越え、宗教協力の理念のもと、戦争の犠牲となった人々に慰霊と供養の誠を捧げるとともに、「絶対非戦」と「平和実現」への誓いを新たにするもの。入場無料、申し込みなしで、新宗連加盟教団会員・信徒だけでなく誰もが参列ができる。
今回は昨年に引き続き「私のことばで伝えたい」をテーマとして掲げた。戦争体験者が減少していく中で、戦争の記憶、悲惨さ、そして「8・14式典」で積み重ねられてきた「平和への願いと信念」を継承し、「私のことば」で語っていくことを目標とし、式典及びそれに向けた活動を展開していく。
また、今回から新宗連青年会はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のTwitter及びInstagramに公式アカウントを開設し、特に青少年に向け、式典について広く呼びかけを展開する。
なお、チラシ表「Twitter、Instagram開設中!」の表記に誤りがあり、以下修正を求めている。(誤)「#8.14」をつけてつぶやいてください。(正)「#8_14式典」をつけてつぶやいてください。
詳しくは、新宗連青年会公式Twitter(@ssr_seinenkai)及びInstagram(ssr_seinenkai)を参照。問い合わせは新宗連青年会事務局まで(電話03‐3468‐5551代表)。
2018/4/27
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