自由な宗教活動と感染拡大防止の両立 課題か
新宗連では2月中に各種委員会、地方の総支部・協議会、青年会連盟・委員会で予定されている行事や会議については、延期が可能な行事は実施を控え、また実施する場合は十分な感染防止に努めることを要請した。
加盟教団の対応は様々。本部や教会・道場などの支部における行事を中止・延期する、また施設を閉鎖し、自宅での祈り・礼拝を呼びかけている教団もある。他方で神事や供養、参拝などは「信仰上、必要不可欠」との判断から、例祭などを予定通り斎行する教団もあるが、感染拡大防止に注意を払い、換気の悪い密室に大人数が密集しないよう配慮している。
具体的には必要最低限の人数(斎員・祭員、あるいは本部職員のみ)で式典を行う、遠方にいる信徒・会員や高齢者には参拝の自粛、参列者は手洗いを促す、備品の消毒・換気を徹底する、屋外施設(仏舎利塔など)のみ一般参拝を可能とする―などの対策を講じている(写真/職員や来訪者に対策を呼びかける加盟教団の掲示板) 。
教団の判断や対策は、機関紙誌やホームページ等で掲載し、信徒・会員への周知を図り、併せて状況の早期終息と罹患者の健康回復を祈念する教団もある。
世界的に宗教行事の自粛続くが、「本質考える時期」
新型コロナウイルスの与える影響は未知数であり、人々に疲弊の色も見えているが、宗教団体にとっては行事の在り方、教団職員や信徒・会員の教団への関わり方などを見つめ直す機会となっており、「教団の本質を考える良い時期」と前向きに捉える発言も出ている。長期化を予想する専門家もあり、まだまだ予断は許されない。新宗連としては加盟教団の自由な宗教活動を支援するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、必要な対策を講じていく。
東日本大震災から9年 各地で慰霊・追悼
大和教団、松緑神道大和山は3月11日に合わせ
東日本大震災から9年を迎えた。不通となっていた常磐線も3月14日に全線で開通。復旧・復興は着実に進んでいるが、課題も多い。今年も各地で犠牲者の慰霊・追悼行事が催されており、東北に本部を置く新宗連加盟教団でも3月11日に合わせて慰霊と復興の祈りが捧げられた。祭儀の結びにあたり、保積教主が「ご親教」に立ち、震災からの9年を振り返った。主要教会の流出や福島原発事故による厳しい状況の中で、新宗連加盟教団から直ちに支援を受けたこと、中でも円応教から燃料の提供を受けたことへの感謝を述べ、その燃料でマイクロバスをピストン輸送し、原発事故直後の福島県沿岸部の信者を大國神社まで避難させ、約3カ月間、神社での集団生活を送り、困難に立ち向かうため、皆一致団結して乗り切ってきたことなどを述懐した。「東北の復興は未だ道半ばではあるが、今後も一日も早い復旧復興の完遂を日々祈念し、御霊の安寧を祈念させて頂きます」と結んだ。
祭儀では、修祓の後に聖歌「霊鎮めの歌」を奉唱し、「天津祝詞」「東日本大震災御霊鎮祭祈願祝詞」を奏上した。「東日本大震災御霊鎮祭祈願祝詞」の中では、震災で亡くなった教信徒名が読み上げられ、御霊の鎮魂を祈願した(写真/宮城県布教センター)。
最後に焼香をして、両会場とも午後3時15分頃に終了した。
台湾へ初の平和使節団−新宗連青年会
2月21〜25日 敵味方を超えた慰霊と平和祈願
22日には台湾中部の清流部落を訪れ、1930年に起こったセデック族による抗日蜂起「霧社(むしゃ)事件」を学び、事件に関連して亡くなった犠牲者に対する慰霊と平和祈願を行った。また、セデック族の方々とも懇談を行った。
23日には台湾南西部の潮音寺、24日には台湾東北部の金瓜石を訪れ(写真)、それぞれの場で先の大戦下での犠牲者と、すべての戦争の犠牲者に対して慰霊を行った。潮音寺では、近隣の海岸で海上戦没者への慰霊も行い、海上への献花を行った。
2020/4/2
▲ページの先頭へ