宗教もしもし相談室
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新型コロナウイルス(COVID-19)感染症に対する岡田光央理事長からのメッセージ

令和2年5月11日

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界的に広がり、日本全国にも「緊急事態宣言」が発令されています。この感染症により、今なお闘病されている方々、療養中の方々に心よりお見舞いを申し上げます。そして、国内外ではこの感染症により多くの方が亡くなられています。ご遺族やご関係の皆さまは突然の別離に遭遇され、その心中はいかばかりかと拝察いたします。ご遺族ご関係の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げますとともにご逝去された方々に衷心より哀悼の誠を捧げます。
 また、こうした非常事態が続く中、感染防止に注意をしながら、医療現場の最前線で発症者、重傷者の看病にあたられている方をはじめ、社会生活を維持するために献身いただいているエッセンシャルワーカーの方々の働きに深く感謝申し上げます。
 このような時こそ、私たち宗教者、信仰者が日頃から学び、醸成してきた神仏の智慧や慈愛による働きが必要です。私たちは今、不要不急なものの自粛を要求される中で、自然に必要不可欠なものを選択しています。それはより「本質的」なもの、そして「これからの社会に必要」なものの探究と直結しています。一人ひとりが自己の信仰を深めながら、この困難と思える状況を直視し、神仏から与えられた大きな試練として受容できるかが問われているのではないでしょうか。
 すでに加盟教団の皆様は感染予防を講じ、罹患者の回復と事態終息の祈りを捧げておられます。また、会員、信徒の皆さまの中には、自己の信仰実践として、エッセンシャルワーカーの方々と出会う際に「大変な中いつも有り難うございます」と必ず声をかけている方、自分の住む地域のゴミ集積場に感謝の手紙を置き、「励まされた」と喜びの返信をいただいた方、手作りマスクを作って必要な人や施設に届けている方などがいらっしゃるとうかがっています。まさに日々の信仰を実践することにより、世の中の調和、愛和の世界、共存共栄する世界の構築に貢献している方々だと思います。
 この非常事態の終息はまだ見えず、長期化も予想されています。私たちはこの困難を神仏から与えられた大きな試練として受容し、物質一辺倒の文明から脱出して、真の人間の生き方、人類の未来の文明の在り方を本質的に問い直し、転換していく必要があると思います。「すべてのいのちを尊ぶ世界の実現」を目指して、一人ひとりが世の中に愛和をもたらす光明となれるよう務めてまいりましょう。
 結びに、今、地球上で新型コロナウイルス感染症と対峙されているすべての人々のご努力、ご精励に深く感謝申し上げますとともに、ご健康をお祈り申し上げます。

公益財団法人 新日本宗教団体連合会
理事長 岡田光央

2020/5/11

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