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新型コロナウイルス(COVID-19)感染症に対する岡田光央理事長からのメッセージV

令和2年11月26日

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的拡大はいまだ収まることがありません。世界の感染者数は6000万人に迫り、国内はじめ人類全体の不安や恐怖、哀しみは続いています。欧米における再拡大をはじめ、日本においても急速に感染が再拡大しています。これまでこの感染症によって亡くなられた方々に謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、闘病されている方、後遺症に苦しんでいる方々へお見舞いを申し上げます。
 医療従事者をはじめ、懸命に感染予防や対策に関わってくださっている多くの方々の経験や研究により、予防法や治療法の改善も進められ、これらの知見に基づく、いわゆる「新しい生活スタイル」の推進も求められています。警戒を解けない状況に変わりはありませんが、専門家等の実証研究に基づく正確な情報をよく見聞し、不安や恐怖を安心や安全へと転じていけるよう努めてまいりたく存じます。
 新宗連においては、10月8日に開催した理事会において、令和3年度に向けた事業の大綱を決定し、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を踏まえた運営方法についても確認しました。特に事業大綱では「未知の感染症に遭遇している今だからこそ、宗教の役割が求められている」こと、そして「宗教者がこの現状にどう立ち向かうか」として、「新型コロナウイルスの影響により求められる新しい生活様式と宗教者、宗教教団の役割を探求する」ことを謳いました。具体的対応については、企画委員会を中心に調査・研究を託しましたが、早速に学びの機会を設けてくださっています。
 これまでも申し上げたとおり、私たち宗教者は心の問題、霊的な原因についても探究を続けていかなければならないと思うのであります。新型コロナウイルスの流行を霊的に観ずるならば自然界の警告であると認識することもできます。
 私たちは「自分とは何なのか」「社会と国と世界の在り方はどうなのか」を改めて考え直す必要性に迫られています。就中、宗教者はこのような時だからこそ、静かに自己を省みる時間をつくるとともに、それぞれが信ずる神仏が説かれる御教えに触れ、信仰心を深め、心魂を磨き、浄化する努めが肝要であると存じます。そして、生きとし生けるすべてのいのちを尊び、慈しみの心をもって、迷い苦しむ人々に正しい信仰の光を与えなくてはならないと切に思うのです。
 来年、新宗連は結成70周年という節目を迎えます。先頃そのテーマが「今、そして未来につなぐ信仰の力と光」に決定しました。困難な中でこそ光明を見出す信仰の力と光をあらためて世に顕し、未来へとつながる取り組みを進めてまいりたく存じます。結びに、新型コロナウイルスの影響によって様々な困難と対峙されているすべての方々のご健康とご多幸を新宗連諸職者と共に心よりお祈り申し上げます。

公益財団法人 新日本宗教団体連合会
理事長 岡 田 光 央

2020/11/26

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