宗教もしもし相談室
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新宗連理事長 年頭所感

結成70周年 記念事業の完遂に邁進
「信仰の力と光」未来につなぐ
混沌の社会に希望の光を灯す
令和3年1月1日
公益財団法人 新日本宗教団体連合会
理事長 岡田 光央
 
 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 昨年来、世界人類は新型コロナウイルス(COVID-19)感染症という未曾有の災難に遭遇しております。はじめにこの感染症により亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げます。また闘病、後遺症に苦しんでいる方々にお見舞い申し上げるとともに、医療従事者はじめ様々な困難と対峙されておられる方々に深く感謝を申し上げます。
 思うに私たちは昨年4月の「緊急事態宣言」を受けて、不要不急の外出を控えることになりました。
 多忙であっても日常の風景は変わりません。しかし新型コロナウイルスは音もなく、姿も見せずに忍び寄ってきました。この未曾有の事態に遭遇して、私は自然界の警告を思わずにおられませんでした。
 これまで過密都市において、こまねずみのように走り回っていたわれわれはコロナウイルスによって足をすくわれました。そして不図、気が付いてみると火の車(怒りの炎)に乗っていた自分を認識したのでした。
 釈尊の預言された心の燃え盛る「火宅の世」は閉塞感漂う今の時代を指し示しているのであると。
  

  コロナ禍―重点課題に宗教者、宗教団体の役割探求を掲げ対応

 さて、新宗連は昨年10月の新宗連理事会で承認した「令和3年度事業大綱」の活動方針で、「未知の感染症に遭遇している今だからこそ、宗教の役割が求められており、宗教者としてこの現状にどう立ち向かうかが重要になっている」と謳い、重点課題の一つに「新型コロナウイルスの影響により求められる新しい生活様式と宗教者、宗教教団の役割を探求する」ことを掲げました。
 昨年4月から12月にかけて、加盟教団の感染予防対策などコロナ禍の影響を伺うアンケートや、医療現場の安定した運営体制の維持と後方支援のために日本赤十字社へ国際救援金を寄託、さらにこの感染症に最前線で対峙する医師と看護師を講師に感染防止対策を学ぶ「第32回教団人セミナー」などを開催いたしました。
 本年、新宗連は結成70年という佳節を迎えます。新宗連は1951(昭和26)年、24教団が参加し結成されました。設立時の『新宗連要覧』には先の大戦への反省と世界平和実現への決意、弾圧を受けた歴史から「信教の自由」の堅持が掲げられ、この理念は諸先達により変わることなく連綿と継承され、今日まで歩みを重ねてまいりました。

  70周年記念事業大綱のテーマ、その目的に込められた熱い思い

 昨年10月の理事会で「結成70周年記念事業大綱」を決定し、記念事業のテーマを「今、そして未来につなぐ信仰の力と光」、目的として「信仰の力と光を世に顕し、次世代、未来へとつないでいく」「新宗連スローガンの意義を自覚、実践する」を掲げました。
 その趣旨は、新宗連が周年を迎える毎にそれまでの生活や価値観を揺るがす大きな出来事に遭遇し、「新日本」という名称に込められた「日々新たな心」で歩みを進めてきたこと。そして現在、コロナ禍により、人と人との関係が希薄化し、苦難の只中にある社会においても尚、新宗連活動と各加盟教団の布教活動の中で醸成してきた「信仰の力と光」を確認し合い、次世代、未来へとつないでいくことが、今を生きる私たちの使命であると提起しております。
 それは私たち一人ひとりの日々の祈りと行動こそが社会に光明をもたらし、危機を好機に変え、未来に希望の光を見い出す大きな力となる―との熱い思いが込められています。
 わけても、新宗連は4つの柱「信教の自由を守ろう」「信仰心を広めよう」「宗教協力を進めよう」「世界の平和に貢献しよう」を具体的な形に表現し内外に発信することで、歴史を築いてまいりました。今こそ、新宗連活動に参画する一人ひとりがスローガンを実践すると共に、これを忘れることなくつなぎ、伝え、「信仰の力と光」を世に顕し、共感を広げていくことも謳っています。
 今後、結成70周年の諸事業を進めてまいりますが、この度の記念事業のテーマと目的は、まさに私たちが宗教宗派、信条を超え、愛和し、時代に応えるべき大きな旗印となりましょう。
 私たちは新宗連の多くの同志と「共にある」ことを感じながら、試練のコロナウイルスを克服して、結成70周年記念事業の完遂に邁進してまいります。

2021/1/1

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