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Headline No.128 新宗連結成70周年記念事業を展開

巡礼団派遣や座談会 実施へ
 新日本宗教団体連合会(新宗連、石倉寿一理事長)は現在、結成70周年記念の諸事業を展開している。10月26、27日に長崎と広島に「戦争犠牲者、自然災害犠牲者慰霊供養(巡礼団)」を派遣し、原爆犠牲者慰霊並びに平和祈願式典を執行、9月からは新宗連スローガンに関する座談会、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、宮本泰克委員長)の歴代委員長座談会を実施。記念諸事業は来年3月のクロージング式典まで継続する。

原爆犠牲者慰霊並びに平和祈願式典
 〈長 崎〉
 「長崎原爆犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」は10月26日、長崎市の原子爆弾落下中心地碑前で執り行われた。
「慰霊と鎮魂の祈り」奏上
 新宗連を代表して、石倉寿一理事長があいさつした後、献水、献香、献花が行われ、力久道臣九州総支部会長(新宗連常務理事)と新宗連結成70周年特別委員会の仙波達治委員と柿澤伸光委員が祭壇前に進み「慰霊と鎮魂の祈り」を奏上した(写真)。
 参列者全員で、原子爆弾で亡くなられた御霊の平安と世界の平和を祈願して黙祷を捧げ、この後、崇教眞光、善隣教、大慧會教団、大法輪台意光妙教会、立正佼成会による教団別礼拝を行った。
 続いて、島津静子さん(立正佼成会)が「平和へのメッセージ」を発表した。島津さんは、母親の被爆体験を通して、自身の被爆2世としての葛藤や気付かされたことなど、さまざまな体験を語った。その上で、長年にわたり原爆死没者の慰霊供養を続けていることを通して、「私自身が、命を繋いでいただいた者の役割として、原爆死没者のお陰で今の平和があることを伝え、他国での戦争を通して痛みを分かち合い、心から平和を願える子供たちの育成に努めたい」との決意を述べた。
 長崎県協議会の松本匡代事務局長が閉会あいさつを述べ、参加者全員が献花を行い閉式した。
 〈広 島〉
 「広島原爆犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」は翌27日、広島市の平和記念公園内の原爆供養塔前で執り行われた。
石倉理事長らによる「慰霊と鎮魂の祈り」奏上
 新宗連を代表して、石倉理事長があいさつした後、献香、代表者献花、参列者による献花が行われ、石倉理事長と70周年特別委員会の小池繁昭委員と仙波達治委員が祭壇前に進み、「慰霊と鎮魂の祈り」を奏上した(写真)。
 参列者全員で、原子爆弾で亡くなられた御霊の平安と世界の平和を祈願して黙祷を捧げた。この後、円応教、松緑神道大和山、崇教眞光、善隣教、大慧會教団、大法輪台意光妙教会、立正佼成会の順に教団別礼拝を行った。
 続いて、岸田弘子さん(HRCP=NPO法人ヒロシマ宗教協力平和センター)が「平和へのメッセージ」を発表した。岸田さんは、自身の被爆体験について、絵を示しながら語り、被爆の悲惨さを訴えた。そして「私の命のある限り、広島に訪れる人との出会いを通して、8月6日の事実を言葉にし、声に出し、世界平和の実現に向け、前進してまいります」と力強く語った。
 最後に中国総支部の原章雄副委員長が閉式あいさつを述べた。

スローガン座談会、2回が終了
 4本の新宗連スローガンに関する座談会並びに新宗連青年会の歴代理事長座談会は、いずれも東京・代々木の新宗連会館を会場に開催した。
 「信仰心を広めよう」に関する座談会は9月16日、宮本惠司氏(妙智會教団法嗣)と岡野英夫氏(解脱会理事長)、杉浦妙周氏(福聚の会会長)、平松千明氏(大和教団事務総長)が出席し、司会は70周年特別委員会の仙波達治委員が務めた。
 座談会は冒頭、「標語」掲示(1965年)から、スローガン制定の変遷とスローガンに込められた意義が説明された。これを受け、各出席者が「信仰心を広めよう」の受け止め方や、自身の信仰確立にいたった出来事、功徳や救いの体験も披歴され、信仰心がいかに大切であるかが語られた。
 さらに次世代への信仰継承やスローガンを掲げる意義、信仰心を広めるための課題と展望について、布教現場での実践例や具体的提案など示唆に富んだ意見が交わされた。

 スローガン「信教の自由を守ろう」に関する座談会は9月21日、東京大学名誉教授の島薗進氏と新宗連信教の自由委員会(信教委)元委員長の本山一博氏(玉光神社宮司)を交え、信教委委員と新宗連青年会代表者が出席した。
 冒頭、信教委委員の武藤亮飛氏(宗教心理学研究所副所長)が「新宗連と『信教の自由』」と題し、新宗連結成の経緯や信教の自由を巡る活動について、スライドで概要を説明。この後、信教委の鈴木裕治委員長(妙智會教団理事)が進行役を務め、島薗氏と本山氏が新宗連の行ってきた活動に対する評価を解説した。
 これを受け、青年会副委員長の岡野孝行氏(解脱会青年本部長)と信教委副委員長の力久道臣氏(善隣教教主)が質問。今後予想される危機と、新宗連への期待や役割などについて出席者らと意見を交わした。
 スローガンに関する座談会は11月10日に「世界の平和に貢献しよう」、同月29日に「宗教協力を進めよう」を開催する。

新宗連青年会歴代委員長座談会
 新宗連青年会の歴代委員長座談会は10月5日、開催した。1991(平成3)年の新宗連青年会結成30周年の際、初代から第6代の歴代委員長によるパネルディスカッションが行われており、それを受けて引き継ぐ意味もある。
 今回は第7代の藤井庸佐氏(円応教常任理事)、第8代の石倉寿一氏(大慧會教団会長)、第9代の古田島康氏(思親会支部長)、第10代の新井光興氏(救世真教会長)、第11代の力久道臣氏(善隣教教主)、第12代の保積志弘氏(大和教団嗣親)の6氏が出席し、進行役は結成70周年特別委員会の宮本泰克委員と岡野孝行委員が務めた。進行役の2氏は、現在の新宗連青年会でそれぞれ委員長と副委員長も務めている。
 座談会では、まず新宗連青年会へ関わったきっかけや各委員長時代の思い出が話され、アジア青年平和使節団などでは、それぞれが一委員や団員として参加した共通の思い出もあり、数十年前のエピソードが懐かしく思い出され、大いに盛り上がった。最後に、現在とこれからの青年(会)へのメッセージが述べられ、これまでの歴史や蓄積の継承だけでなく、新たな発想で歴史を紡いでいってほしい、というようなアドバイスもなされた。

2022/11/8

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