東日本大震災犠牲者慰霊並びに復興祈願式典−石巻市
「東日本大震災犠牲者慰霊並びに復興祈願式典」は11月7日、宮城県石巻市の石巻市震災遺構大川小学校で執り行われた。開式に先立ち、NPO法人「小さな命の意味を考える会」代表の佐藤敏郎氏のガイドで、遺構内の施設を見学した。
石倉理事長による代表献花に続き、参列者が献花を行い、新宗連の保積志弘理事と結成70周年特別委員会の仙波達治委員、柿澤伸光委員の3氏が慰霊碑の前に進み、「慰霊と鎮魂の祈り」を奏上、東日本大震災で亡くなられた御霊の平安と被災地域の復興を祈願し参列者全員で黙祷を捧げた(写真)。続いて、松緑神道大和山と崇教眞光、大慧會教団、大和教団、大和教、立正佼成会による教団別礼拝を行った。
この後、宮城県東日本大震災津波伝承館説明員の堀川禎則氏による体験談を聴講した。堀川氏は図や写真を示しながら、川を遡上する津波の凄まじさ、津波が引いた後の破壊された小学校の様子などを説明。その上で「助かった方、亡くなられた方もいるが、全ての方が被害者。私たちはこの災害を後世に伝え、風化させないよう努めていきたい」と思いを語った。
閉式のあいさつで、宮城県協議会の近藤雅則副議長は「今日はこのように多くの宗教者の方が亡くなった方々に向き合い、弔うことができた。宗教者にとっての大切な務めをあらためて確認した」と述べた。
沖縄全戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典−糸満市
「沖縄全戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」は11月21日、沖縄県糸満市の国立沖縄戦没者墓苑で執り行われた。開式に先立ち、立正佼成会沖縄教会の仲村尚子氏の案内で、沖縄平和祈念公園内の「平和の礎(いしじ)」などを巡った後、国立沖縄戦没者墓苑へ移動した。式典では、新宗連を代表して石倉寿一理事長があいさつ。新型コロナ禍で思うように慰霊ができなかったことに触れ、「本日、戦争犠牲者慰霊の最後の地として、沖縄で皆さんと集い、慰霊できることに感謝します。この祈りは必ず犠牲者の方々に届けられると信じています」と述べた。

この後、解脱会と崇教眞光、善隣教、大慧會教団、大法輪台意光妙教会、立正佼成会による教団別礼拝を行った。
閉式のあいさつでは、沖縄県協議会の長沼克宗議長が「今回の巡礼団慰霊のお陰で、非戦の自覚を新たにすること、戦争の事実を風化させないと誓うことができたのではないか」との思いを述べた。
この後、一行は「黎明の塔」「沖縄師範健児之塔」「魂魄の塔」「ひめゆりの塔」「白梅之塔」を巡り、それぞれの場所で仲村氏による説明を受けた後、代表者による献花と祈りを捧げた。
新宗連スローガン座談会
新宗連スローガン「世界の平和に貢献しよう」「宗教協力を進めよう」に関する座談会は、いずれも東京・代々木の新宗連会館を会場に開催した。11月10日の「世界の平和に貢献しように」に関する座談会には、新井光興氏(救世真教会長)と力久道臣氏(善隣教教主)、國富敬二氏(立正佼成会理事長)が出席し、司会は70周年特別委員会委員の柿澤伸光氏が務めた。
はじめに新宗連スローガンの変遷を振り返り、特に「世界の平和に貢献しよう」の受け止め方について、各出席者が思いを述べた。続いて、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)の数次にわたる東南アジア懺悔行や、紛争後の旧ユーゴの子どもたちへ靴を贈る運動(1996年)、さらに「9・11」アメリカ同時多発テロ(2001年)やイラク情勢危機(2003年)などに対応した新宗連青年会並びに新宗連の平和行動、大震災へのボランティア派遣などに参加したエピソードや感想が語られた。
また、各教団で取り組んでいるさまざまな平和活動について、信仰や教義からの解説とともに、その歩みを紹介。そして今後、世界の平和に貢献するために、新宗連及び各教団でできることや目指すところについて、示唆に富む提言、忌憚のない意見を交わした。
11月29日の「宗教協力を進めよう」に関する座談会には、田澤清喜氏(松緑神道大和山教主)と田中庸仁氏(真生会会長)、庭野光氏(立正佼成会次代会長)が出席し、司会は新宗連事務局員の隈元正樹氏が務めた。
はじめに「宗教協力を進めよう」に込められた意義が説明され、各出席者がコメントした後、宗教協力の大切さを、新宗連の先師先達から学んださまざまなエピソードが語られた。
また、新宗連本部並びに総支部・協議会活動での宗教協力の在り方や今後の課題、宗教協力による平和活動を行っている世界宗教者平和会議(WCRP)との違いなどにも話題が及び、多様な意見、提言が続いた。
4本のスローガンに関する座談会は、29日の座談会で完了した。
2022/12/1
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