新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、宮本泰克委員長)は4月20・21日、岩手県花巻市で「ユースフォーラム2024」を開催した。
ユースフォーラムは毎年8月14日、国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われる「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」(8・14式典)とならび、新宗連青年会の二大行事に位置付けられている。全国の新宗連加盟教団の青年が一堂に集う、「出会い・啓発・学習」の場。
45回目を迎えた今回は、新日本宗教青年会奥羽連盟(青奥連)の受け入れのもと、「私の宗教―宮沢賢治の<ことば>から見るダイバーシティ&インクルージョン」をテーマに開催した。
昨年、没後90年を迎えた宮沢賢治は花巻市出身の国民的詩人、童話作家。賢治は法華経に篤く帰依し、その信仰は作品に大きな影響を与えている。
20日は開会に先立ち、オプションとして午後2時から、花巻市内の賢治の墓所である身照寺、創作の舞台となった「イギリス海岸」、農村改善運動の舞台「羅須地人協会」、「雨ニモマケズ」詩碑を巡った。詩碑では、講演会の講師を務める大澤千恵子・東京学芸大学教授が説明を行った。
午後5時、花巻駅近くの「なはんプラザ」で開会。新宗連青年会の宮本泰克委員長の主催者あいさつに続いて、奥羽総支部の田澤清喜会長のメッセージが代読され、青奧連の代表が2日間のオリエンテーションを行った。
また「〈ことば〉は発した人のものであると同時に受けた人の〈ことば〉でもある。皆さんが賢治の〈ことば〉から何を受け取り、生きるかこそが〈ことば〉の真の力」と、今回のプログラムを学ぶにあたっての心構えをアドバイスした。
続いて大澤氏は近代文学と比較して、賢治の童話作品の特長を解説。「現実より空想、個人より全体、大人より子ども」を重視していると指摘した。そして、賢治作品の珠玉の〈ことば〉の数々を解説。現実と虚構が二重写しになった世界観を「ウソかマコトかという二元論ではなく現実を超えた真実を見出そうとするファンタジーの特徴」と指摘した。
最後に「皆さんそれぞれにとっての心=ほんとう、宇宙=いのち、信仰=生きるということを見つめ直してほしい」と参加者に投げかけた。
続いて、新型コロナウイルス感染拡大以来、5年振りに夕食懇談会を開催。青奥連包括地域である岩手県、青森県、秋田県にちなんだクイズなど趣向を凝らした催しがあり、異なる教団、地域からの参加者同士の交流を深めた。
最後に青奧連代表があいさつを述べ、閉会した。
2024/5/10
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