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Headline No.151 第59回「8.14式典」絶対非戦、平和実現へ決意

「すべてのいのちを尊ぶ世界」の実現を
宮本委員長の先導で平和の祈りを捧げる.jpg
 新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、宮本泰克委員長)は8月14日午後6時から、東京都千代田区の国立・千鳥ケ淵戦没者墓苑で「第59回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典(8.14式典)」を開催した。新日本宗教団体連合会(新宗連、石倉寿一理事長)の加盟教団代表をはじめ、会員、信徒ら約400人が参列。式典の模様はインターネットの動画共有サイトでライブ配信された
 式典は午後6時、司会者から開式が告げられた後、4教団の青年代表者4人による献灯と献鶴が行われた。宮本泰克・新宗連青年会委員長(妙智會教団代表役員)が灯を捧げ、主催者を代表してあいさつを述べた。
宮本委員長は第1次の派遣から半世紀を迎え、今年3月、タイに派遣した第28次「アジア青年平和使節団(アジア懺悔行)」について言及。第1次使節団(1974年)が戦争犠牲者慰霊のために建立したタイ式供養塔(サンプラプーン)前で開催した慰霊供養の式典を通じ、「絶対非戦」の精神を胸に刻み、世界の恒久平和と「すべてのいのちを尊ぶ世界」の実現に向けた行動を再考する契機になったと振り返った。
 また、「ユースフォーラム2024」において主題とした、詩人・宮沢賢治の言葉「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」との思いも改めて深く共感したことを述懐。さらに、能登半島地震のボランティア派遣についても触れ、「宗教青年が先頭に立ち、いまできることを行動し、続けていくことで人と人との繋がりが生まれ、それが真の世界平和実現の懸け橋になる」と強調した。
 この後、教団別礼拝が行われ、解脱会と円応教、救世真教、思親会、松緑神道大和山、崇教眞光、善隣教、大和教団、玉光神社、福聚の会、妙智會教団、立正佼成会、大慧會教団の代表者がそれぞれ祈りを捧げ、戦争犠牲者に哀悼の意を表した。
 続いて、加盟教団の青年を代表し立正佼成会の鈴木杏友沙さん(20)が「平和へのメッセージ」を発表した。中学生の頃から平和について深く考える機会が多く、戦争を経験した曾祖母から戦時中の話を聞くうちに平和の尊さをより深く実感していったと語った。さらに、新宗連青年会の第28次アジア青年平和使節団(今年3月、タイ)での体験を振り返り、泰緬鉄道を訪れた際に感じた恐怖と戦争の悲惨さが改めて心に刻まれ、「過去の戦争であっても、決して他人事ではないことを痛感した」と語った。
 その上で、「世界中の人々が安心して眠れて笑い合える世界をつくるためには、一人ひとりの優しさとお互いを敬う心が不可欠。私たちは今あるこの尊い命を大切に世界平和実現のために精進し続けます」と決意を表した。
 この後、宮本委員長の先導により参列者全員で「平和の祈り」(黙祷)を行い、戦争犠牲者の慰霊と世界平和の実現を願い、黙祷を捧げた(写真上)。
 最後に、新宗連を代表して石倉寿一理事長(大慧會教団会長)があいさつに立った。「アジア青年平和使節団」が今年50年目を迎えたこと、さらに「8.14式典」が来年で60回目を迎えることに触れ、若い世代がさまざまな体験を通し、信仰を通じて平和への意識を育む重要性を強調した。
 また、来年が終戦80年となることを受け、「すべてのいのちを尊ぶ世界実現のための祈りと慰霊推進事業」を今後も継続していく決意を表明。「一人ひとりが憎しみや怨みの心を捨て、対立や不信ではなく、調和と信頼の心を広げていけるように、皆さまと共に『祈り』を深めてまいりたい」と述べた。

2024/9/4

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