立正佼成会(庭野日鑛会長)は3月5日午前、東京・杉並の本部大聖堂で「教団創立87周年記念式典」を開催した。
式典は、東京佼成ウインドオーケストラの序奏で開幕。全国の青年女子部員20人による奉献の儀に続き、庭野光次代会長を導師に読経供養が行われ、聖壇上で庭野日鑛会長が啓白文を奏上した。この中で庭野会長は庭野日敬開祖による「真実顕現」の宣言、「全会員へのご本尊およびご法号勧請」など、教団発展の節目に言及し、信仰の礎が幾多の先輩幹部や信者の努力によって築かれてきたことを回顧。さらに、創立100年に向け、「敬う心」と「恥を知る心」の大切さを示し、在家仏教の信仰を基盤として家庭を斉(ととの)え、次世代を人道へ導く決意を表明。天地万物への感謝を忘れず、サンガの同志と共に精進することを誓った。
熊野隆規理事長のあいさつに続いて、功労者表彰が行われ、教会役員功労者、会員特別功労者の代表2人に、庭野会長から感謝状と記念品が贈呈された。次いで功労者を代表し、山形教会の女性会員が体験説法に立った。
女性会員は障がいをもって生まれた孫の将来を案じていたが、法華経の教えに触れ、サンガとの交流を重ねるうちに、苦は自身が成長する機縁だと悟り、人生の喜びを見いだした体験を語った。
この後、法話に立った庭野会長は中国の古典『大学』の「苟(まこと)ニ日ニ新タニ、日日ニ新タニ、又、日ニ新タナリ」の言葉を引用し、日々新しい気持ちで向上心を持ち、精進することの大切さを強調。また、「敬の心」を持ち、より高い目標を追求し続けることが、人間としての成長につながると説いた。
また、中国古典『管子(かんし)』の「終身計画ならば人を植えるのに及ぶものがない」との一文を引き、「地域社会や国、世界の未来を考えるならば、人を育成することこそが最も重要」とし、その基盤は家庭教育であり、父母や祖父母がしっかりとした人間教育を行うことが不可欠と明示した。
加えて、聖徳太子の十七条憲法第一条に掲げられた「和を以て貴しと為す」を紹介し、「日本の伝統は、世界に相通じるものであり、その実現を目指して努力することが、私たちの大事な役割」と述べた。その上で「敬の心」とは、未完成な自分に飽き足らず、少しでも高い境地に近づこうとする心であり、「敬の心が発達してくると、おのずと至らない自分を省みて、恥じる心が生じます。そして、自らを戒め、律して、新たな努力・精進が始まる」と説き示した。

最後に、庭野会長夫妻を聖壇上に迎え、東京佼成ウインドオーケストラの演奏のもと、米寿記念曲「大空のように…」を合唱。青年女子部員2人が庭野会長夫妻に花束を贈呈し(写真)、式典は閉幕した。
2025/4/3
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