新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、宮本泰克委員長)は4月19、20日に、第13回「青少年育成セミナーT(広島)」を広島市で開催した。
今回のセミナーは「戦争と平和」をテーマとする3カ年計画の初年にあたり、終戦80年を機に「先の大戦」を年間テーマに設定。原爆投下の実相に触れ、被爆者の証言を通して理解を深めるとともに慰霊供養を行った。

波田氏は幼少期に被爆し、爆発の衝撃で家屋が倒壊し、家族とともに瓦礫の下敷きとなったが、自身は奇跡的に脱出した。逃げる途中で火傷や怪我に苦しむ人々の姿を目にし、「人が焼けた時の匂いが今でも鼻に残っている」と語った。原爆で家族を失い、親戚のもとで肩身の狭い暮らしを送った経験から、「私の戦争は終戦の8月15日から始まった」と述べ、「戦争の悲惨さを二度と繰り返してはならない」と訴えた。
翌20日、参加者は広島平和記念資料館の「平和学習講座」で核兵器の仕組みや爆風、熱線、放射線が与える被害について学んだ。その後、各自資料館を見学し、前日の証言者の話と照らし合わせるように、沈痛な面持ちで展示と向き合った。
この後、HRCPのスタッフの案内で平和記念公園にある「原爆死没者慰霊碑」「原爆の子の像」「原爆ドーム」などを訪ね、「原爆供養塔」では代表による献花や礼拝を実施した。参加者代表があいさつ、「核をめぐる世界情勢は厳しい現状がある。しかし、強権的な政治指導者も宗教には敬意をはらう」「今日からまた気持ちを新たに、絶対非戦に向けて頑張っていきたい」などと決意を述べた。
次回は8月8日、長崎市で「青少年育成セミナーU(長崎)」が行われ、長崎原爆資料館の見学や長崎県宗教者懇話会主催の「第53回原爆殉難者慰霊祭」への参列が予定されている。
なお同セミナー実施前の4月19日午後から、令和7年度第1回(拡大)委員会を開催。第60回「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」(青年平和式典)、沖縄慰霊の日・代表(拡大)拡大、「8・14平和学習」などについて協議した。
2025/6/23
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