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靖国神社の政治利用に対する意見書(全文)

内閣総理大臣
石 破 茂 殿
 内閣総理大臣をはじめ閣僚の皆様には、円安による経済への影響、世界各地で紛争や侵略が続くなか、日々、難しい国家の舵取りにご尽力賜り、ありがとうございます。
 さて、私どもは1979(昭和54)年から政府を代表する総理はじめ閣僚が、靖国神社に「公式参拝」することは、憲法に定める「政教分離」原則に違背し、「信教の自由」を侵害するものであることを訴え、慎重な対応をお願いし続けてまいりました。本年、終戦八十年の節目を迎えるにあたり、あらためて「公式参拝」などの形式を問わず、総理はじめ閣僚らによる靖国神社への関与について熟慮いただきたく、本意見書を提出いたします。
 私どもは、「信教の自由」と「政教分離」原則の観点から、一貫して戦争犠牲者の慰霊・追悼は、国民それぞれが個人の信仰に基づいて行うべきものと申し上げてきました。石破茂総理におかれましては、総理就任以降、靖国神社の昨年10月の秋季例大祭、今年4月の春季例大祭に、「内閣総理大臣 石破 茂」名で真榊を奉納されました。総理という政治的立場による靖国神社への関与は、特定宗教の「援助・助長」にあたり、政府によって当該宗教が、戦争犠牲者の慰霊・追悼において、他の施設などより特別なものであるかのような評価やイメージを与えています。この点は「政教分離」原則から、極めて重要な問題であり、他の多くの宗教を信じる人々、また、特定の宗教による信仰を持たない人々の「信教の自由」を侵害しうる問題であると懸念しております。
 また、総理就任後から突然始められた行為は、ご自身の信仰心ではなく、役務上の恒例行事として奉納を踏襲されているのではないかと疑わざるを得ません。これらの行為は、特定の支持者へのアピールなど、政治的意図も感じられ、政治家が宗教団体を政治利用することは、当該宗教が本来大切にしている純粋な宗教性を毀損する行為と深く憂慮いたします。また、そうした安易な宗教団体の政治利用が、昨今社会問題化している宗教と政治の問題を生み出しているといっても過言ではありません。
 閣僚を含む国会議員は、政治的立場を掲げ靖国神社に個人や超党派の団体で参拝するなどの様子を喧伝する方々もいます。個々の「信教の自由」は基本的人権の根幹として尊重されるべきものですが、これら為政者の言動が「信教の自由」と「政教分離」原則の観点から、どのような影響を与えているのか、終戦80年の節目にあたり、今一度、思料していただき賢明な判断と行動を重ねてお願い申し上げます。
令和7年7月30日
新日本宗教団体連合会
信教の自由委員会 委員長 鈴 木 裕 治
政 治 委 員 会 委員長 力 久 道 臣
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立憲民主党
代表 野田 佳彦 殿
 私どもは、1979(昭和54)年から政府を代表する総理はじめ閣僚らが、靖国神社に「公式参拝」することは、憲法に定める「政教分離」原則に違背し、「信教の自由」を侵害すものであり、厳に慎んでいただくよう、意見書を提出し続けてまいりました。本年、戦後80年の節目を迎えるにあたり、あらためて、国会議員らによる靖国神社への関与について熟慮いただきたく、本意見書を提出いたします。
 私どもは、「信教の自由」と「政教分離」原則の観点から、一貫して戦争犠牲者の慰霊・追悼は、国民それぞれが自身の信仰に基づいてなされるべきと申し上げてきました。国会議員による靖国神社への政治的立場に基づく関与は、当該宗教が戦争犠牲者の慰霊・追悼において、他の施設などより特別なものであるかのような評価やイメージを与えています。この点は「政教分離」原則から、極めて重要な問題であり、他の多くの宗教を信じる人々、また、特定の宗教による信仰を持たない人々の「信教の自由」を侵害しうる問題であると懸念しております。
 また、貴党の国会議員の方々も、自らの政治的立場を掲げ、靖国神社に個人や、超党派の団体で参拝し、真榊等を捧げ、その様子を喧伝している方がおられます。これらの行為は特定の支持者へのアピールなど、政治的意図が感じられ、為政者が宗教団体を利用することは、当該宗教が本来大切にしている純粋な宗教性を毀損する行為と深く憂慮いたします。また、そうした安易な宗教団体の政治利用が、昨今社会問題化している宗教と政治の問題を生み出しているといっても過言ではありません。
 他方で、石破茂総理が、靖国神社の昨年10月並びに今年4月の例大祭に合わせ、「内閣総理大臣 石破茂」名で真榊を奉納したことにも言及する意見書を本日付けで提出しました。特に、総理大臣就任後から始められたこの行為は、自身の信仰に基づいたものではなく、役務上の恒例行事として奉納を踏襲されているのではないか、宗教団体の政治利用が疑われるという理由から、訴え続けています。
 個々の「信教の自由」は憲法に定める基本的人権の根幹であり、尊重されるべきものですが、これら為政者の言動が「信教の自由」と「政教分離」原則の観点からどのような影響を与えているのか、貴党におかれましても終戦80年の節目にあたり、今一度、思料していただき、賢明な判断と行動をとられますよう、重ねてお願い申し上げます。
令和7年7月30日
新日本宗教団体連合会
信教の自由委員会 委員長 鈴 木 裕 治 
政 治 委 員 会 委員長 力 久 道 臣  

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国民民主党
代表 玉木 雄一郎 殿
 私どもは、1979(昭和54)年から政府を代表する総理はじめ閣僚らが、靖国神社に「公式参拝」することは、憲法に定める「政教分離」原則に違背し、「信教の自由」を侵害するものであり、厳に慎んでいただくよう、意見書を提出し続けてまいりました。本年、戦後80年の節目を迎えるにあたり、あらためて、国会議員らによる靖国神社への関与について熟慮いただきたく、本意見書を提出いたします。
 私どもは、「信教の自由」と「政教分離」原則の観点から、一貫して戦争犠牲者の慰霊・追悼は、国民それぞれが自身の信仰に基づいてなされるべきと申し上げてきました。国会議員による靖国神社への政治的立場に基づく関与は、当該宗教が戦争犠牲者の慰霊・追悼において、他の施設などより特別なものであるかのような評価やイメージを与えています。この点は「政教分離」原則から、極めて重要な問題であり、他の多くの宗教を信じる人々、また、特定の宗教による信仰を持たない人々の「信教の自由」を侵害しうる問題であると懸念しております。
 また、貴党の国会議員の方々も、自らの政治的立場を掲げ、靖国神社に個人や、超党派の団体で参拝し、真榊等を捧げ、その様子を喧伝している方がおられます。これらの行為は特定の支持者へのアピールなど、政治的意図が感じられ、為政者が宗教団体を利用することは、当該宗教が本来大切にしている純粋な宗教性を毀損する行為と深く憂慮いたします。また、そうした安易な宗教団体の政治利用が、昨今社会問題化している宗教と政治の問題を生み出しているといっても過言ではありません。
 他方で、石破茂総理が、靖国神社の昨年10月並びに今年4月の例大祭に合わせ、「内閣総理大臣 石破茂」名で真榊を奉納したことにも言及する意見書を本日付けで提出しました。特に、総理大臣就任後から始められたこの行為は、自身の信仰に基づいたものではなく、役務上の恒例行事として奉納を踏襲されているのではないか、宗教団体の政治利用が疑われるという理由から、訴え続けています。
 個々の「信教の自由」は憲法に定める基本的人権の根幹であり、尊重されるべきものです が、これら為政者の言動が「信教の自由」と「政教分離」原則の観点からどのような影響を与えているのか、貴党におかれましても終戦80年の節目にあたり、今一度、思料していただき、賢明な判断と行動をとられますよう、重ねてお願い申し上げます。
令和7年7月30日
新日本宗教団体連合会
信教の自由委員会 委員長 鈴 木 裕 治
政 治 委 員 会 委員長 力 久 道 臣  
               
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日本維新の会
代表 吉村 洋文 殿
 私どもは、1979(昭和54)年から政府を代表する総理はじめ閣僚らが、靖国神社に「公式参拝」することは、憲法に定める「政教分離」原則に違背し、「信教の自由」を侵害するものであり、厳に慎んでいただくよう、意見書を提出し続けてまいりました。本年、戦後80年の節目を迎えるにあたり、あらためて、国会議員らによる靖国神社への関与について熟慮いただきたく、本意見書を提出いたします。
 私どもは、「信教の自由」と「政教分離」原則の観点から、一貫して戦争犠牲者の慰霊・追悼は、国民それぞれが自身の信仰に基づいてなされるべきと申し上げてきました。国会議員による靖国神社への政治的立場に基づく関与は、当該宗教が戦争犠牲者の慰霊・追悼において、他の施設などより特別なものであるかのような評価やイメージを与えています。この点は「政教分離」原則から、極めて重要な問題であり、他の多くの宗教を信じる人々、また、特定の宗教による信仰を持たない人々の「信教の自由」を侵害しうる問題であると懸念しております。
 また、貴党の国会議員の方々も、自らの政治的立場を掲げ、靖国神社に個人や、超党派の団体で参拝し、真榊等を捧げ、その様子を喧伝している方がおられます。これらの行為は特定の支持者へのアピールなど、政治的意図が感じられ、為政者が宗教団体を利用することは、当該宗教が本来大切にしている純粋な宗教性を毀損する行為と深く憂慮いたします。また、そうした安易な宗教団体の政治利用が、昨今社会問題化している宗教と政治の問題を生み出しているといっても過言ではありません。
 他方で、石破茂総理が、靖国神社の昨年10月並びに今年4月の例大祭に合わせ、「内閣総理大臣 石破茂」名で真榊を奉納したことにも言及する意見書を本日付けで提出しました。特に、総理大臣就任後から始められたこの行為は、自身の信仰に基づいたものではなく、役務上の恒例行事として奉納を踏襲されているのではないか、宗教団体の政治利用が疑われるという理由から、訴え続けています。
 個々の「信教の自由」は憲法に定める基本的人権の根幹であり、尊重されるべきものですが、これら為政者の言動が「信教の自由」と「政教分離」原則の観点からどのような影響を与えているのか、貴党におかれましても終戦80年の節目にあたり、今一度、思料していただき、賢明な判断と行動をとられますよう、重ねてお願い申し上げます。
令和7年7月30日
新日本宗教団体連合会
信教の自由委員会 委員長 鈴 木 裕 治 
政 治 委 員 会 委員長 力 久 道 臣 
    

2025/7/31

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