新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会、宮本泰克委員長)は8月14日午後、東京都杉並区の立正佼成会「大聖ホール」で、「8.14平和学習会 2025」を開催した。映像作品や戦争体験の講演を通じて平和の尊さを学び合った。
学習会に先立ち、宮本泰克委員長ら代表者一行は、東京都千代田区の国立・千鳥ケ淵戦没者墓苑を参拝し戦没者に慰霊と供養の誠を捧げ、絶対非戦を誓った。
今回の平和学習会は、終戦の日の前夜にあたる8月14日夕刻に、新宗連青年会が毎年開催してきた「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」(旧通称「8.14式典」)の精神を受け継ぐかたちで企画されたもの。同式典は第60回の節目を迎える今年から、新宗連青年会結成日の11月26日付近に開催時期を移し、式典通称も「青年平和式典」へと改めた。
終戦80年の年にあたり、新宗連青年会ではタイや沖縄、広島、長崎など国内外で慰霊と学びを重ねている。その流れを受け、東京を舞台に「青年平和式典」(今年は11月30日開催)へ向けた心づくりを行う機会として、学習会を実施した。

高橋氏は8歳の時に体験した東京大空襲(1945年3月10日)を振り返り、「あの晩は空が真っ赤になり、焼夷弾が雨のように降ってきた。兄に手を引かれ、火の手のあがっていない方へ必死に逃げた」と回想。当時、神社にたどり着いたことで命を拾ったが、自宅は跡形もなく焼失したと語った。また、「逃げ遅れた母子が黒焦げになって横たわっていた光景を見た時、最初は“かわいそう”と思ったが、家に着く頃には心が麻痺して何とも思わなくなっていた」と語り、幼い心に刻まれた戦争のむごさを静かに伝えた。
さらに、終戦後は福島県にある母方の実家で約3年間を過ごしたものの、東京に戻ってからは食べ物に困る日々が続いたこと、家族全員が生き延びたことを「奇跡」と感じ、「いただいた命を大切に使わなければならない」と訴えた。
結びに高橋氏は「30代まで先祖を遡れば10億人以上の命につながっている。その一人でも欠ければ今の自分はいない」と述べ、人命の尊厳を強調。「ご先祖さまのおかげで皆生かされている。殺し合いは絶対にしてはならない」と力強く語った。
質疑応答では、参加者から「何を学び、何を次世代へ伝えればよいのか」「戦争を未然に防ぐには」といった質問が寄せられ、高橋氏は「信仰心に基づく行動」「言葉より実践」「相手の気持ちに立った行動の大切さ」などと語った。
この後、参加者はグループに分かれて語り合い、自らの平和観や青年としての使命について考えを分かち合った。
2025/9/4
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