令和8年度事業計画案・予算案などを承認

理事会の冒頭に先達への感謝と世界平和を祈念し黙祷した。石倉寿一理事長の開会あいさつの後、審議事項に移り、令和8年度事業計画案並びに予算案等について審議し、原案通り承認した。この中で、企画委員長の田澤清喜理事は、首都圏総支部が主催している「教化活動懇談会」を、来年度から企画委員会として広報支援することを提案。オンライン活用を通じた新たなつながりの在り方を模索する方針等が示された。
続いて、定時評議員会の開催日時と議題、役員選考委員会規程の改定、新聞メディア体制変更に伴う規程の改定等について、それぞれ審議の結果、承認した。
このほか、宗教法人審議会委員と不活動宗教法人対策検討委員の推薦者について、資産運用プロジェクトチーム(PT)の委員が、昨年12月から運用を開始した資産運用方針と運用ファンドの概要を説明し、今後も引き続き協議を進めることを確認した。また、各委員会・機関の委員等の改選時期について、役員改選を行う6月の決算理事会終了後に合わせること等も承認した。
報告事項では前回理事会(昨年10月8日)以降の新宗連本部並びに委員会・機関、新宗連青年会の活動状況、宗教界の動向などを報告した。
SNS時代の情報環境と公共性を考える―学習会

西田氏は2013(平成25)年の公職選挙法改正でインターネットを使った選挙運動が解禁された経緯に触れ、「当時はテキスト中心だったが、動画やAIが普及した現在、制度と現実のズレが顕在化している」と指摘。インターネットの設計思想と日本の選挙制度のズレや、相性の悪さを早くから提起してきたと説明した。
2010年代前半のSNS利用状況の分析では、国会議員約700人のうちアカウントを持つ議員は約230人にとどまり、その多くが十分な発信を行っていなかったことを紹介。制度や規制が政治家の行動を制約していた可能性に言及した。また、自民党が広告代理店などと連携し、ネット上の世論動向や情報量を分析する体制を整えていた事例を挙げ、政党が情報環境の変化に対応してきた経緯を解説した。
現在のネット環境の特徴としては、「テキストからイメージへ」「タイムラインからアルゴリズムへ」の変化を提示。通信環境の向上により写真や動画が主流となり、表示順も時系列からアルゴリズムによる選別へ移行していると説明した。特にYouTubeの利用率が高く、動画が情報空間の中心になっていると述べた。
一方で、動画の再生回数が得票に直結するとは限らないと強調。公明党の動画戦略やいわゆる「石丸現象」などの事例を挙げ、「再生回数や話題性と選挙結果(当落)は必ずしも一致しない」と指摘した。東京都知事選や自民党総裁選を例に、SNS上の人気と実際の当落との乖離にも触れ、「ネットの影響は無視できないが、決定的要因と断定するのは慎重であるべきだ」と述べた。
質疑応答では、切り抜き動画などによる情報の偏向や、選挙期間中のフェイク動画への対応の在り方、高齢者を含む情報リテラシー向上策などについて質問が寄せられた。西田氏は、選挙期間中の誤情報対策について「選挙の自由は民主主義の根幹であり、安易な削除は表現の自由との関係で難しい」と説明。また、選挙期間中の動画配信サービスにおける収益化停止案についても、「労多くして効果が出ない可能性が高い」との見解を示し、海外プラットフォーム企業への規律づけの難しさにも言及した。
そのうえで、「発信する側の規制だけでなく、メディアがきちんと報道をし続け、国民に届くまでをデザインしたコンテンツを作ることが重要」と強調した。
WCRP日本委―第54理事会・第31回評議員会
2026年度事業計画など承認、タスクフォースは3分野に再編
世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(戸松義晴理事長)は1月29日正午、東京・杉並の立正佼成会法輪閣で「第54回理事会・第31回評議員会」を開催した。開会に先立ち、参加者は平和の祈りを捧げ、戸松義晴理事長のあいさつの後、議事に入った。理事会では日本委員会の人事、タスクフォース再編、2026年度事業方針など7議案を審議し、すべて原案通り承認。参与の高見三明氏(カトリック長崎大司教区名誉大司教)が退任し、理事に谷野寅蔵氏(一燈園当番)が就任した。タスクフォースは従来の5分野から「平和構築」「持続可能な開発(サステナビリティ)」「人道支援」の3分野へ再編。併せて2026年度の主な国際行事として、11月にシンガポールで開催予定のアジア宗教者平和会議(ACRP)第10回大会の実施概要が示された。
報告事項では、法人業務や国際事業の活動状況、タスクフォースおよび常設機関の今後の取り組みが共有された。続く評議員会でも、理事会と同内容の審議・報告が行われた。

続いて、東洋大学名誉教授の竹村牧男氏が、1月に韓国・金浦市で開かれた「宗教平和国際事業団(IPCR)国際セミナー」の議論を紹介。「人間の尊厳の回復」が喫緊の課題である現状に触れ、戦争や飢餓、差別によって尊厳が脅かされる中、宗教は他者のいのちを尊重する視点を社会に示すことができると語った。仏教の如来蔵思想や常不軽菩薩の実践に言及し、他者を敬う姿勢が尊厳回復につながるとの見解を示すとともに、AIの進展によって人間の存在意義が問い直される時代だからこそ、いのちの原点を見つめ直す必要性を強調した。
さらにWCRPへの期待を問われた中川氏は、これまで参加してきた世界大会の経験を踏まえ、宗教指導者が平和を真摯に議論する場の意義を高く評価し、国連の機能不全が指摘される現状において、宗教者ネットワークが和平の仲介など独自の役割を果たし得る可能性に言及した。竹村氏は、ロシア・ウクライナ問題をめぐる東京平和円卓会議の取り組みを紹介し、声明文に盛り込まれた「赦し」の重要性を指摘。短期的目標である諸宗教青年による平和交流の開催と、長期的目標である赦しの実践を着実に積み重ねていく必要があると述べた。
この後、WCRP日本委員会をはじめ、宗教界、学術界、政界、NGO、国連諸機関などの関係者による交流レセプションが行われ、活発な意見交換が行われた。
2026/3/18
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